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自動運転車よりも現実的? 米国で自動操縦の救護ヘリ配備へ

2018年08月29日 17時29分更新

文● Erin Winick

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シリコンバレーのスタートアップ企業であるスカイライズ(SkyRise)は、ヘリコプターの操縦席から人間を不要にすることに取り組んでいる。

スカイライズは先週、同社のセンサー機器を搭載した自動操縦ヘリコプターのプロトタイプの試験をカリフォルニア州トレーシーで開始した。このヘリは2019年1月に、現地の911(緊急通報電話)対応のために配備される予定だ。

スカイライズは自動操縦ヘリに、レーダーやカメラ、オンボード・コンピューターといった自動運転車で見られるような機器を搭載した。今回の初期試験ではまだ、人間が操縦桿を握るが、目的はデータ収集である。センサーから得られた情報はパイロットに提供され、濃霧などの危険な状況下での飛行をより容易にすべく活用される。データはまた、同社の人工知能(AI)アルゴリズムをより洗練させるためのシミュレーションを作成するのにも役立つだろう。

自動操縦ヘリの開発は、多くの点で自動運転車より容易だ。上空の方が地上よりも、衝突し得る障害物がはるかに少ないからである。規制当局に対し、自動操縦ヘリが安全であると証明することが真の課題となる。今回の試験は、自動操縦ヘリがしっかりと飛べることを、スカイライズが証明するのに必要なデータを収集するのにも一役買うだろう。「単に、単独で飛べる物体を作ればいいわけではありません」。以前DARPA(国防高等研究計画局)でヘリコプター・メーカーのシコルスキー(Sikorsky)と共に自動航空技術の開発に従事していた、ベクナ・ロボティクス(Vecna Robotics)のダン・パットCEO(最高経営責任者)はニューヨーク・タイムズ紙に対して、こう述べる。「大切なのは、自動操縦ヘリが安全な飛行手段であることを示すエビデンスを収集することです」。

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