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4万9800円で買えるお手頃価格も魅力

お手軽にお絵かきできるタブレット、筆圧感知4096段階でペン充電不要

2018年08月06日 07時00分更新

文● 貝塚/ASCII.jp、編集●八尋/ASCII.jp

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raytrektab DG-D08IWP Siro

 「raytrektab DG-D08IWP Siro」(以下DG-D08IWP)はサードウェーブが販売するお絵かきタブレットだ。

 8型タブレットながらOSにWindows 10 Home(64bit)を採用した、れっきとしたWindows端末。今回は、その特徴や外観、大まかな使用感を中心にまとめる。

やはりWindowsは強い

 まずは「raytrek」というブランドについてチェック。これはサードウェーブが販売するマシンのうち、クリエイター向けのモデルをラインアップするシリーズで、同社では「創る人のための」シリーズとしている。

本体、付属のペン、ケーブル類

 どちらかというと、4Kコンテンツの編集や制作に適した、ビデオカードを何回も搭載したモデルや、Xeonプロセッサーを搭載したパワフルなマシンを多くリリースするブランドというイメージである。

 そんな中で、このDG-D08IWPは少々変わったモデルといって差し支えない。プロセッサーはAtom x5-Z8350(1.44GHz)で、Windowsタブレット用のプロセッサーとしてはパワフルではないし、メモリー容量も4GBだ。さらに、ストレージ容量も64GBと大きくない。「マシンパワーやスペックを追求したモデル」というコンセプトからは外れる。

 ただし、タブレットといういうくくりでは、このモデルのよさがみえてくる。モバイル用ながら、Windows 10が快適に動作するプロセッサーとメモリー容量。膨大なデータをアーカイブ的に保存することは難しくても、ひとまず様々なデータを保存しておく分には十分なストレージ容量。そして399gと、500mlのペットボトル1本にも満たない軽さ。

 あえてraytrekシリーズに位置付けているのは、「タブレットとしてはかなり高性能で、デジタイザーが使える、小型の制作マシン」という性質をウリにする意図があるのだろう。というより、raytrekシリーズが全体的に高性能なのは、想定しているコンテンツをあつかうにあたって十分な処理性能を追求した結果だから、本機の場合は、このスペックで妥当とも考えられる。

 当然だが、付属する「CLIP STUDIO PAINT」などペイント系ソフトだけでなく、もちろんMicrosoft Officeも動作するので、制作用のモバイルマシンとしてでなく、屋外でOfficeの資料を参照、編集ができるマシンとしても活用できる。

白いボディーに優れた使い勝手

 実はこのモデル、以前には微妙なデザイン&カラー違いで販売されていた。前モデルではブラックを基調として、Windowsタブレットに特有のWindowsボタンをベゼルに配置したデザインだった。

 本機はホワイトとシルバーを基調として、Windowsボタンもなし。これによって、つるっとした癖のない外観を実現している。前面から確認できるのはインカメラとディスプレーのみで、コンテンツ制作中の没入感も高い。

ベゼル部にはボタンがなく、手に持った時の誤作動、ペン使用時の誤作動も発生しにくい

 そして、Windowsボタンなしの仕様には実用上のメリットもある。ペイント中にうっかり手を触れて、ホームに戻ってしまったり、意図しない動作が発生したりするのを防いでくれるのだ。

 些細な変化に思えるが、使用感への影響は大きい。ユーザーからも「Windowsボタンをなくしてほしい」という意見があったらしく、それを反映した結果、より使い勝手のいいモデルに進化したといえるだろう。

 表面の質感はサラサラとしていて手触りがよく、指紋、汚れなども付着しにくい。ひんぱんに携帯するデバイスのため、この仕様もストレスなくあつかううえで重要だ。

 また細かな話だが、背面のアウトカメラ周りのデザインは、レンズ周りに無駄なリングなどを配置せず、レンズに向けて微妙にカーブをかけて処理しており、見た目にすっきりとしている。何かと余計なものが配置されている場合も多いWindowsタブレットとしては、かなりまとまった外観ではないだろうか。

背面のアウトカメラ周りのデザインは、レンズ周りに無駄なリングなどを配置せず、レンズに向けて微妙にカーブをかけて処理

筆圧感知は驚愕の4096段階

 本機の最大の特徴は、4096段階の筆圧感知だ。プロクラスの液晶タブレットでは、8192段階というモデルもあるが、4096段階もWindowsタブレットの筆圧感知としては高性能な部類だ。

 1024段階や2048段階と4096段階の差はわかりやすいが、4096段階と8192段階の差は、個人的には、それほど大きくない。2048段階から4096段階に向かうどこかに、感覚がすぐにとらえられるラインがあるように思える。いずれにしても4096段階か8192段階か、というのはかなりレベルの高い話だと捉えてもらいたい。

バッテリーレスで、鉛筆のようなデザインが持ちやすい

 付属のペンはバッテリーを搭載せず、使用にあたって充電の必要もない。多くのデジタイザーは充電が必要となるが、本機では、鉛筆やボールペンで紙に文字を書くように、バッテリー管理に気を取られずにペンが使用でき、その点も大きな魅力になるだろう。

 この手軽さで、前述のように細かな筆圧感知を実現している点に驚きだ。手軽に持ち出せる軽さやデザイン、ペンタブレットとしての使いやすさを備えながら、4万9800円というリーズナブルな価格に抑えているのも魅力。デジタルでのイラスト制作に挑戦してみたい人や、すでに環境は持っているが、ステップアップしたい人、あるいは屋外用の環境を用意したいと思っている人は、ぜひ購入の候補に加えてみてはいかがだろうか。次回は、より細かな仕様や、実際にイラストを製作してみての試用感に触れたい。

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