視線入力も実現できる
ARKit 2で視線の検出が可能になったと言うことは、これを常用することができる可能性も拡がっていきます。その候補となるのが、視線入力です。
視線入力は、目の動きだけで操作するインターフェイスです。最近のカメラにはあまり見られませんが、AF視線入力はキヤノンEOS 5というフィルムカメラに採用されていました。簡単に言えば、見たところにピントが合わせられるようにすることで、意図しないAFを避けることができる、という仕組みです。
これをスマートフォン上で実現するなら、たとえば視線の動きでスクロールしたり、ページをめくったりすることができるようになるでしょう。あるいは目の周りの筋肉の動きも合わせて検出して、ちょっと特徴的な瞬きでタップを兼ねることもできるかもしれません。
iPhone程度だと画面全体を見渡せますが、iPadやiMacなど、より画面が大きなデバイスでは、どこを見ているのかによってアプリのフォーカスを変えたりすることもできるでしょう。
視線入力は、体の不自由な方がデバイスを利用する際に大きな力になり、Appleも実現する際には、まずアクセシビリティの機能として紹介する事になるでしょう。しかし、デバイスを活用する多くの人にとって、より直感的な「見る」という動作に意味を与えられる点で、便利さを享受できるのではないでしょうか。
いずれにしても、早くTrueDepthカメラ搭載のデバイスが増えて、そうした機能の可能性が広がって欲しいものです。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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