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アスキー・ジャンク部リターンズ 第220回

謎肉メインでよかったのか?:

カップヌードル「珍種謎肉」スモーキーチリに満足できない

2018年06月13日 12時00分更新

文● モーダル小嶋/ASCII

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「カップヌードル スモーキーチリしょうゆ味」
日清食品
6月11日発売
購入価格184円
https://www.nissin.com/jp/news/7013

あの謎肉を“チリ化”した

 いよいよ、日清食品が本格的に謎肉で遊ぶようになってきた。

 日清食品は「カップヌードル スモーキーチリしょうゆ味」を6月11日から発売している。“謎肉”として親しまれている味付豚ミンチの新たなおいしさを提案するという「珍種謎肉」シリーズの第1弾。具材はチリ謎肉、ミンチ肉、たまご、ネギ、赤ピーマン、赤唐辛子。

カップヌードル スモーキーチリしょうゆ味

 珍種謎肉をうたうだけあって、唐辛子を練りこんだ辛みが特長の「チリ謎肉」が特徴。具材としてだけでなく、カップヌードルのスープにも「チリ謎肉」から辛みが染み出し、より食欲をそそる味になるという。さらに別添の「スモーキーチリオイル」を加えれば、チリの辛さと香ばしい薫製の風味が食欲をそそる一杯に仕上がるとのこと。

「珍種謎肉第1弾」。第2弾もあるのだろうか?

スモーキーチリオイルは後入れ

フタの上で温めるヤーツ

 謎肉こと「ダイスミンチ」は、豚肉のミンチと大豆、野菜などを混合したあとに、フリーズドライ加工して作っている、カップヌードルおなじみの具材。主にネット上などで「謎肉」と呼ばれていたが、2016年頃から、日清食品公式でもこの名称を積極的に使い出すようになる。同年7月には公式Twitterアカウントが「CUP NOODLE なぞにく」と書かれた缶を開缶する写真のツイートを投稿したほか、9月には「カップヌードルビッグ "謎肉祭" 肉盛りペッパーしょうゆ」を発売している。

 直近でいえば、「カップヌードル リッチ」の最新作である「カップヌードル 肉食リッチ 贅沢肉盛り担々麺」を5月28日から発売しているが、具材に謎肉に赤味噌、豆板醤、花椒を加えた「特製肉味噌担々謎肉」を使用している。食べてみたが、おいしかったです。

 日清食品からしてみれば、消費者の間で流行っている呼び名をキャッチアップし、カップヌードルの味を決定づける具材のバリエーションを増やすことで新製品をアピールするのは、ごく自然な流れだろう。肉食リッチ 贅沢肉盛り担々麺の特製肉味噌担々謎肉は味のアクセントになっており好印象だったが、スモーキーチリしょうゆ味はどうか。そのあたりがポイントになる。

「チリ謎肉」の説明まである

スープに燻製っぽい香りはあるが
全体としての完成度はもうひとつ……

フタを開けて見ると、チリ謎肉が確かにゴロゴロしている

オイルを入れる(写真を見て気づいたけど微妙に開封に失敗してますね……)

見た目はそれほど辛そうではない。燻製のような香りがある

 お湯を入れて3分。スモーキーチリオイルを入れてみると、たしかに燻製のような、香ばしい匂いを感じた。チリ謎肉もそれなりに存在感を発揮しており、いままでにない味わいが待っているのではないか、とワクワクさせるものがある。

食べる筆者(これいる?)

 ところがいざスープを飲み、麺を口に運ぶと、困ってしまう、というのが正直なところだ。スープに燻製のような、スモーキーな味わいはある。それはわかる。ただ、驚くほど辛くもなく、それほどコクがあるわけでもない。パンチに欠ける。

 肝心のチリ謎肉はどうだろう。確かに辛味はあり、通常の謎肉とは一味ちがう。ただ、具材としてそれほどたくさん入っているわけではないから、あくまでアクセントでしかない。主役、ではない。だとすれば、麺、スープ、アクセントとしての具材間のバランスに期待したいが、とくに光るものが感じられない。

チリ謎肉。確かに辛い

 そう考えるとカップ麺としての完成度があまり高くない、と言わざるをえない。味全体にはややチープな感じもあり、ジャンクフードとしてはそれでもよいかと思うが、それでもインパクトがないのは問題だ。ぼんやりしているというか、まとまりのない味に感じる。「食べられたものではない、味が破綻している」というわけではもちろんないが、積極的に選ぶおいしさが薄い。一言で言えば、満足できない。

 肉食リッチ 贅沢肉盛り担々麺とは対照的だ。あちらは花椒の香りが効いていて、ただ辛いだけ、ゴマの味がするだけ、ではなかった。スープも、カップヌードルっぽいとはいえ、ちゃんと舌に残るピリ辛さがあり、ゴマによる味の深さもきっちりしている。そして特製肉味噌担々謎肉は、香りが強いわけではないけれど、食感でアクセントになっており、これもよし。250円前後できっちりこだわったカップヌードルにしました……という作り混み具合があった。

 一方、スモーキーチリは(価格帯が違うから、そりゃそうだろうと言えばそうなのだが)、チリ謎肉以外に凝った要素がなく、スープと具にちょっと強さがない。よって、一口、また一口と食べ進めたくなる魅力に欠ける。謎肉をメインにしたのであれば、もっと量が必要だったのではないか。それによってバランスが崩れてしまったとしても、個性としてはよかったと思う(これは消費者の無責任な意見だということは承知しているが)。

 スモーキーチリは謎肉の新たなおいしさを提案するという「珍種謎肉」シリーズの第1弾だというが、もし、第2弾、第3弾があるのならば、もう少しカップ麺としての完成度を高めてほしい。チリ謎肉の試みは肯定的に評価したいので、全体的な味のクオリティー向上を目指していただければ、と切に願う。日清食品さん、よろしくお願い申し上げます。




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