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オヤジホビー-ワタシが好きな物はみんなも好き、かもしれない- 第129回

米軍車両ハンヴィーのバッテリーを交換してみました

2018年05月27日 17時00分更新

文● にゃかむら(@TK6506)、編集●アスキー

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いつの間にか電圧が下がっていました

 ちょっと前にハンヴィーをメンテナンスに出しました。撮影で走り回ったので走行に直接関係のあるオイル交換や足回りのチェックなどをしてもらったのですが、実はほかにも気になることが。いつの間にか電圧計の表示が以前より低くなっていたのです。

 ハンヴィーのエンジンはV8ディーゼル。6200ccもあるバカでかい奴がボンネットフードの下に収まっています。ディーゼルエンジンとガソリンエンジンは燃料が違いますが、機構的にも大きく異なります。ガソリンエンジンは点火プラグで着火しますが、ディーゼルエンジンには着火装置がありません。気体を急激に圧縮したときに熱が発生する断熱圧縮という現象を利用し、高温になった空気に燃料を噴射して爆発させています。

 このとき、エンジンが冷えていたり空気の密度が低い高所にいたりすると、圧縮された空気が燃料の発火点温度まで上がらないという困ったことが起こります。いくら燃料を吹き込んでも爆発が起きないのではエンジンは始動してくれません。

 そこで用意されているのが予熱機構。グロープラグという熱を発生する補助熱源が各シリンダーに1本ずつ、ハンヴィーでは計8本差し込まれていて、これが赤熱してあらかじめシリンダー内を加熱します。クッキーやケーキを作るときのオーブンの予熱と一緒ですね。

 予熱に電力を使うため、エンジンスタート時は電圧計の針がかなり低いところを指します。

予熱時はバッテリーの電力を使うため、グロープラグに流れるぶん表示が低くなります。これぐらいの低さは許容範囲

 予熱のときにある程度低いのはいいんですが、あるとき気づいたら針が赤いところに入ってしまっていて、低すぎという感じでした。

 バッテリーがヘタったのかもしれないし、発電機であるオルタネーターや電圧調整のボルテージレギュレーターの調子が悪いのかもしれません。さらに、なんせハンヴィーは軍の払い下げ品であり言ってみれば廃棄物なので、メーターも信用なりません。

 原因はわからないものの、ハンヴィーを買ってからというもの3年半バッテリーを交換していないので、とりあえず交換してみることにしました。バッテリーはサイズが規格で決まっていますが、本来は軍用を使うのが筋であり、市販のバッテリーがキッチリ収まる保証はありません。古いバッテリーと同じサイズの物を買えばいいのですが、ガワの形の微妙な違いで入らなかったりしたらイヤなので、今回もまたスカイオートさんに交換をお願いしました。

いつものとおりスカイオートさんへ。バッテリーの在庫があるとのことでラッキー!

 ハンヴィーにジャストサイズとのことで用意してくださったのはSharkというバッテリー。全然聞いたことない……と思って、箱に書かれていたJohnson Controls Delkor Battery Corporationを調べてみたら、ビル管理システムや自動車用バッテリー、電力システムなどの事業を展開しているアメリカの会社でした。ジョンソンコントロールズという日本法人もあります。自動車用バッテリーでは世界最大級のメーカーで、なんと業界全体の3分の1を同社が製造しているそうです。いつものとおりワタシが知らないだけというやつですね。

ジョンソンコントロールズというメーカーのバッテリーを購入しました

 お値段も比較的安く、アメリカの会社ということでアメリカ大好きなワタシ的には超グッド! ジョンソンコントロールズは米軍のエネルギー削減プログラムを実施していたり退役軍人を積極的に雇用したりと、米軍とも関係が深いそうです。

 日本法人は自動車用バッテリーのほか、ビルの制御や監視システム、空調、セキュリティーシステムなどの製造や運用保守をしているとのこと。日立アプライアンスと合弁で設立したジョンソンコントロールズ日立空調は家庭用エアコンの白くまくんの製造をしていて、かなり身近な感じです。

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