おそらくコンシューマー対象のIoT機器で日本市場で一番たくさん発売されているモノは、所有物とスマホとを連携させ、その両者が設定距離を超えたときに警報を鳴らし、貴重品の紛失を最小化する遺失物アラートタグだ。
そして、その次に多く見られるアイテムは、家庭の壁面コンセントにプラグインして、その先に繋いだ家電品への電源オン/オフをスマホからできる通称「スマートプラグ」と呼ばれるIoTデバイスだ。
今回紹介するスマートプラグは、ネットワーク機器の老舗であるTP-Linkの「ミニスマートWi-Fiプラグ」という商品だ。3000円ちょっとで購入できる。
4月に本連載で紹介したプラネックスの国産スマートプラグである「スマソケ」は、クラウドサーバーで電力消費量を把握、分析、監視、管理することができた。
そして、契約ユーザーに対し、必要なレポートや時にはサーバー側からの自動再起動などの対処を行なえる法人向けサービスビジネスだ。
一方、TP-LinkのミニスマートWi-Fiプラグは、よりコンシューマユーザーにフォーカスしたシンプルな仕様の製品だ。
昨今の多くのスマートプラグの最大の特徴でもあるが、ミニスマートWi-Fiプラグも、Wi-Fiやキャリア回線を介し、遠隔地のスマホからの指示やスマートスピーカーとの連携で音声による操作を実現している。
コンパクトサイズで
「ミニスマートWi-Fiプラグ」
パッケージには、ミニスマートWi-Fiプラグ本体と、かんたん設定ガイド、保証書の3つが入っている。
国内のウェブショップなどで売られている並行輸入のスマートプラグ系商品は、海外製の3P(3極:2枚のプラグブレードと1本のアースピン仕様)のモノが多い。そのままでは日本の壁面コンセントには挿入できず、3P→2Pの変換アダプターを介さなければならない。
基本的な動作には問題ないだろうが、余分なアダプターの厚みでプラグの全長がかなり長くなり、そこに家電品のプラグを挿入したりすると全部で3階建て構造となってしまう。壁面コンセントに挿入した時に極めて突出した不安定なイメージなのであまりおすすめはしない。
ミニスマートWi-Fiプラグの使い方は簡単だ。直方体の少し大きな一口コンセントタップのような格好をした本体を壁面コンセントに挿入し、背面のコンセントには電源のオン/オフ操作をしたい家電品のプラグを接続する。
本製品もほかの多くのスマートプラグ同様、家庭内のWi-Fiルーター傘下にあるネットワークグループ内のスマホからの指示で、内部のスイッチ回路を物理的にオン/オフしている。
そのため、スマホにはWi-Fiルーター経由でミニスマートWi-Fiプラグを操作するためのアプリケーションを事前導入する必要がある。
筆者は当初、「iPhone SE」を使うつもりで専用アプリである「Kasa Smart」をAppStoreからダウンロードした。サーバー側のユーザーアカウントの設定までは問題なく進んだが、肝心のミニスマートWi-Fiプラグとの接続が何度やっても上手くいかず、3回目で断念した。
やむを得ず、専用アプリの導入はAndroidスマホである「Huawei Mate10 Pro」で行なった。Androidスマホでは何の問題もなくミニスマートWi-FiプラグとアドホックでWi-Fi接続できた。
その後、安全ではない非推奨機器との接続や、それらに対する遠隔からの操作禁止事項に同意し、ミニスマートWi-Fiプラグに自分の好みの名前やアイコンを選択する。
最終的に、ミニスマートWi-Fiプラグが自宅内にあるWi-Fiルーターに接続できればすべての設定作業は終了だ。
Wi-Fiルーターに接続するとすぐにミニスマートWi-Fiプラグのアップデートがはじまった。アップデートが終了し、すべての準備が終了すれば、アプリの指示に従って遠隔からのスマホによるコントロールである端末設定の「遠隔操作」をオンにしておこう。
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