自動車メーカーのみならず、通信キャリアなども一体となって進めているクルマの自動運転化。auが福岡で自動運転の実験を行なうというので、取材した。
自動運転は文字どおりクルマを自動で動かすことであり、自動車技術の基準を策定しているSAEインターナショナルがレベル0からレベル5までの定義をしている。それぞれの条件は以下を参照してほしい。
レベル0から3までは、ドライバーの介入が必要とされており、実質的には「自動」運転ではなかった。しかし、今回の実証実験は完全無人になるレベル4だ。教習所という限られた施設の中のみだったが、運転席に誰も乗らずにハンドルが自動的に動いてS字やヘアピンカーブを抜けていくのは未来を感じさせた。さらに4Gネットワークを使って10kmほど離れた福岡国際会議場からの遠隔操作も行なわれた(今回はデモなので4Gとなったが、5Gで運用する予定)。
auは2020年に5Gの商用化を目指しており、5Gを利用した自動運転を長らく開発してきた。このプロジェクトも、KDDI(au)とKDDI総合研究所、遠隔監視や制御システムを開発するティアフォー、自動運転用地図を作成するアイサンテクノロジーの4社が合同で進めている。
ティアフォーは自動運転のOSとなる「Autoware」を開発しており、今回のデモカーにも組み込まれている。アイサンテクノロジーは地図の3Dデータを担当し、Autoware上で視覚的にわかりやすく見せている。さらに、自動運転は高精度な地図をダウンロードしたり、遠隔制御センターにデータを送るだけでなく、自動車に関する運行状況などさまざまなデータを頻繁に通信でやり取りするため、高速・大容量・低遅延の5G網の早急な整備が期待されており、auは5G時代には時速100kmでも安全に走行できるシステムを目指すという。
デモに使用されたのはトヨタ・エスティマベースのクルマ。教習所を1周し、踏切で一時停止したり、上り坂でアクセルを踏んだり、S字カーブを綺麗にクリアしたり、障害物を遠隔操作で避けるなどの動作を見せてもらった。また、バーチャルYouTuberの「ミライアカリ」のナビゲートで、クルマに乗って1周したのでこちらは動画で楽しんでほしい。
自動運転レベル4デモンストレーション