2018年4月18日、ヴイエムウェアはVMware vSphere 6.7とvSAN 6.7を発表した。記者発表会ではヴイエムウェア チーフストラテジスト(SDDC/Cloud) 高橋洋介氏がvSphere 6.7、米ヴイエムウェア ストレージ製品担当 副社長のリー・カズウェル氏がvSAN 6.7について説明した。
パブリッククラウドとオンプレミスをシームレスに統合
vSphere 6.7はコンピューターの仮想化を実現するプラットフォームで、最新版ではハイブリッドクラウド環境を前提とした大幅な機能強化が施された。まず「VMware vCenter ハイブリッドリンクモード」では、オンプレミスとVMware Cloud on AWSやIBM Cloudほか、4000社を超えるVMware Cloud Provider Programに参加するパートナーのパブリッククラウド間で共通の可視化や管理が可能になる。異なるバージョンのvSphereを統合的に管理できるGUIを提供するほか、混在するバージョンのvCenter間で暗号化されたvMotionにも対応する。クラウドとオンプレミスが混在するグローバルインフラにおいても、適材適所で仮想マシンをセキュアに移動させることが可能になった。
また、再起動の回数を半減させてパッチ適用やアップグレード時間を短縮する「シングルリブート」、ハードウェア初期化の手順を省略することでESXiホストの再起動時間を短縮する「VMware vSphere クイックブート」などが追加。不揮発性メモリ(PMEM)による性能向上を実現する「VMware vSphereパーシステントメモリ」、ハイパーバイザーとゲストOSの保護を実現するTrusted Platform Module(TPM)2.0、仮想TPM 2.0などにも対応した。さらにNVIDIA GRID vGPUのサポートも強化し、サスペンドとレジューム機能を追加。vCenter Server Applianceもパフォーマンスが向上(処理速度は2倍、メモリ使用量が1/3)し、vSphere ClientもHTML5ベースになった。
一方、vSANはハイパーコンバージドインフラ(HCI)環境を実現するストレージ仮想化ソフトウェア。最新版の6.7ではHTML5のユーザーインターフェイスを採用し、新しい統合ダッシュボードにより、vRealize Operationsの健全性を一元的にチェックできるようになった。また、Cassandra、Hadoop、MongoDBなどのアプリケーション、フェイルオーバークラスター化されたWindowsサーバーなどのホストアフィニティやiSCSIフェイルオーバーにも対応した。さらにHCI環境のサポート体制を強化する「vSAN Ready Care」を新たに発表し、高度なテレメトリ機能とサポートを組み合わせて、迅速な障害対応が可能になるという。
両者とも提供開始は2019年度第一四半期(2018年5月4日)を予定している。