また対応アプリも増えています。カシオは、スポーツやアウトドアジャンルのアプリベンダー9社と提携を発表しました。これはアプリベンダー各社が、スマートウォッチ「PRO TREK Smart WSD-F20」を利用してアプリを開発するという取り組みです。アプリベンダーとハードウェアメーカーが、コミュニケーションを深め連携した結果と言えます。
── ハードやアプリデベロッパーなど、Android Wearに参入メーカーが増えている理由は?
Stern氏 アプリベンダーに関しては、Android Wear OSが2.0にバージョンアップしたことにより、スマホに依存せずにWi-Fi経由でインターネットに接続できるなど、スタンドアローンとして動作することが魅力として大きいと思います。単体でアプリのダウンロードからインストールまで、可能になりました。
日本では展開されていませんが、世界市場ではWi-Fi版だけでなくセルラー版も登場しはじめているので、スマートフォンを持ち歩かなくても通知を受けたり、調べ物をしたりとできることも増えてきています。
2017年12月に中国・上海で開催されたGoogle Developer Dayでのプレゼンテーション
グーグルではおよそ1年前からAndroid Wear Chinaをリリースして、中国市場にも参入しています。中国では地図アプリならSogou Map、レストランなどの情報はDianping、そして音声サーチはMobvoiという現地のサービスを使っています。こういった利用する地域によってカスタマイズしていることが、各アプリベンダーに「自分たちのサービスにチャンスがある」と大きな影響を与えているのではないでしょうか。
複数デバイスがニーズに合わせて作業を補完
── スマートスピーカーやスマートディスプレーといった新しいデバイスも登場してきていますが、今後、Android Wearはどのように発展していくのでしょうか?
Stern氏 スマートウォッチやタブレット、そしてスマートスピーカーやスマートディスプレーなど確かに似たような機能、例えばGoogle アシストなどが利用できるデバイスが多く登場しています。しかしこれらはぶつかり合うものではなく、ユーザーのニーズに合わせて補完し合うものです。スマートスピーカーはたしかに便利ですが、家中どこにでも置くわけにはいきません。そういうときに常に身につけているスマートウォッチを使うといった具合です。
それぞれが独立して動作するのではなく、連携することで人々の生活を変えていければと考えています。