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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第202回

HomePodも陥る「スマートホームが上手くいかない単純な理由」

2018年03月01日 12時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII編集部

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発売日時点では品薄だったHomePodですが、なんとか確保できて、筆者の家にやってきました

 2月9日に登場したAppleのHomePod。米国では発売日初日の売上が、Amazon Echo Dot以外のどのスマートスピーカーよりも成功したとして、ポジティブに受け止められた様子が伝わってきます。

 確かに、発売日が近づくにつれて、米国内の発売日当日の出荷分を予約で確保することが難しくなっていきました。筆者も予約しそびれていたため、発売日の朝にAppleのオンラインで購入し、受取を近所のApple Storeに指定するという方法で店頭在庫を確保しました。

 しかしながら、我が家にはHomePodの最適な設置場所が残されていなかったのです。単純に登場するタイミングが年単位で遅かったという話です。

確かにHomePodは素晴らしい

 AppleがFast Companyで最も革新的な企業の1位に選ばれ(https://www.fastcompany.com/40525409/why-apple-is-the-worlds-most-innovative-company)、Tim Cook CEOがインタビューに応えました。その中で「顧客をβテスターにしたくない」というコメントがあった点がぐっときました。シリコンバレーでは「永遠のベータ版」として常に機能改善をし続けるソフトウェア発展の手法も語られており、これと対照的だったからです。

 Cook氏はインタビューの中で、「顧客を実験室として活用することを良しとしない」と語り、製品が完成するまで忍耐強く待つことができる点が革新的企業である理由だとしています。

 HomePodはもともと2017年12月に発売される予定でしたが、直前になって延期され、2月9日発売となりました。直接的には語りませんでしたが、HomePodについても、直前で「もっと完成された製品になるはず」と出荷にストップがかかったと考えられます。

 その結果、小さな植木鉢のようなサイズから、迫力ある低音と拡がりのあるサラウンドを実現する「ちょっと不思議な体験」を作り出すスピーカーを実現しました。低音もしっかりしているのに、本体が小さい割に嫌な振動音が出てこない点も優れています。

 製品単体では非常に優れた製品だと感じました。ちなみに、米国ではSiriの機能が他のスマートスピーカーに劣るとの指摘が大勢を占めています。音声認識の精度と速度は他の製品を凌駕していますが、そもそもSiri自体にできることが少なく、またウェブ上の情報に関わることになると、現段階ではだんまりです。

 個人的には、HomePodに日本の面積を尋ねるんだったら、HomePod導入の前提とも言える手元のiPhoneに質問するので、わざわざHomePodがそうした機能に対応していなくても良いと思うのですが、比較は比較ということで。

サウンド自体はサイズを考えれば高評価のHomePodですが、筆者の部屋には常駐できない単純な理由があります

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