2018年春、一番お買い得感が高いミラーレス一眼新機種
デジカメ担当ハシモトがおすすめするミラーレス一眼「EOS Kiss M」
2018年03月13日 12時00分更新
この春、さまざまなメーカーから最新のデジカメが登場した。ハイエンドモデルからエントリーモデルまで、幅広い選択肢がある中で、筆者が「これは買いだ」と思ったのがキヤノンのミラーレス一眼「EOS Kiss M」である。3月23日発売予定だ。
ボディーのみの税別直販価格は7万3500円。税込みだとだいたい8万円。Kiss=エントリーというイメージを持っているとやや高いと思われるかもしれないが、機能的にはむしろ割安なのではないかと思える1台だ。
なお、今回触った機材は製品前の開発機で、メニューが外観などは変更される可能性がある。
ラインナップが増え続ける「EOS Kiss」と「EOS M」
「EOS Kiss」というブランドは同社のエントリー向け一眼レフを指すものだ。初代のEOS Kissが登場したのは1993年。フィルムカメラだった。
デジタル一眼レフとして登場したのは10年後の2003年。やはりエントリーモデルとしての位置づけだが、その中で上位モデル、中級モデル、入門者向けモデルと分かれ、さらに新旧モデルが混ざり合い、現在でも実質4機種のモデルがある。
一方、ミラーレス一眼の「EOS M」シリーズは2012年に登場。エントリー機の1機種という位置づけだったが、2015年ごろからラインナップが分かれ、2017年末には上位モデルの「EOS M5」、ミドルクラスモデルの「EOS M6」、エントリークラスの「EOS M100」の3機種構成となった。
新たに登場するEOS Kiss Mは、EOS KissのラインナップというよりEOS Mの中の1機種で、立ち位置としてはEOS M100の上位モデルとなる。M100にはないEVFを搭載し、チルトモニターではなくバリアングルモニターを採用するなど、一眼スタイルの撮影が可能だ。
新画像処理エンジンで多くの性能が上位機種を上回る
上述の通り、EOS Kiss Mはエントリーに近いモデルとなるのだが、スペックとしてはミラーレス機上位モデルを上回る部分が多々ある。
たとえば連写速度はAF固定で秒間10コマ、追従で7.4コマと若干高速化(EOS M5は固定で9コマ、追従で7コマ)している。
また、感度設定は常用は同じ(最大ISO 25600まで)だが、拡張設定が可能になり、ISO 51200まで選べるようになっている。
手ブレ補正は、同社コンパクトデジタルカメラで採用されていた「デュアルセンシングIS」を搭載。内蔵ジャイロセンサーによる光学補正に加え、撮像素子によるブレ量の検出を行なうことで、より高精度に補正できるようになっている。
このほか、追従AFの精度が向上し、AF範囲の拡大(一部のレンズのみ)、レンズ補正機能、動画撮影機能(4K記録が可能)などが利用可能となっている。
画質についてはまだ製品版の写真を見ていないので何とも言えないが、キヤノンによればノイズがかなり少なくなっているようだ。
なぜ上位モデルを上回っているかといえば、最新の画像処理エンジン「DIGIC 8」のおかげだ。
DIGIC 8を搭載する初のデジタルカメラがEOS Kiss Mであり、その性能の高さゆえ、さまざまな部分で上位機種を上回っているのだ。
もちろん、上位モデルの方が勝っている部分もある。たとえば背面モニターはEOS M5が3.2型、162万画素なのに対してEOS Kiss Mは3型、104万画素。EOS M6と同等だ。
また、1回の充電における撮影可能枚数も、EOS M5/M6が約295枚なのに対して、EOS Kiss Mは約235枚。RAWでの最大連続撮影枚数は、EOS M5/M6が約17枚なのに対してEOS Kiss Mは約10枚だ。
逆に言えば、それ以外の部分は同等か、EOS Kiss Mが勝っている。
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