主要3キャリアのなかでもハイエンドクラスに位置付けられる3社のAndroidスマホ「Galaxy Note8」「isai V30+」「Xperia XZ1」を比較中。2回目ではベンチマークや文字入力、通信といった速度を比較する。
3キャリアの最新ネットワークに対応し
通信速度はスペック的には最大700Mbps以上
ドコモ「Galaxy Note8 SC-01K」、au「isai V30+ LGV35」、ソフトバンク「Xperia XZ1」を比較しているが、初回は2年間のトータルコストでXperia XZ1をリードとした。今回からは実際に使ってみてのテストとなる。まずはスペックのおさらいから。
ドコモ「Galaxy Note8 SC-01K」 |
au「isai V30+ LGV35」 |
ソフトバンク 「Xperia XZ1」 |
|
---|---|---|---|
メーカー | サムスン電子 | LG | ソニーモバイル |
本体サイズ |
約75×163 ×8.6mm |
約75×152 ×7.4mm |
約73×148 ×7.4mm |
重量 | 約190g | 約158g | 約156g |
画面サイズ | 6.3型 | 6型 | 5.2型 |
画面解像度 | 1440×2960ドット | 1440×2880ドット | 1080×1920ドット |
OS | Android 7.1.1 | Android 8.0 | Android 8.0 |
CPU |
2.35GHz+1.9GHz (8コア) |
2.35GHz+1.9GHz (8コア) |
2.45GHz+1.9GHz (8コア) |
ROM/RAM | 64GB/6GB | 128GB/4GB | 64GB/4GB |
メモリーカード |
microSDXC (256GB) |
microSDXC (256GB) |
microSDXC (256GB) |
国内4G対応バンド |
1/3/19/21 /28/42 |
1/3/8/18/26 /28/41 |
1/3/8/11/28 /41/42 |
キャリアアグリゲーション | ○ | ○ | ○ |
VoLTE | ○ | ○ | ○ |
連続通話時間 | 1370分(LTE) | 1200分(LTE) | 1460分(LTE) |
無線LAN |
IEEE802.11ac (2.4/5GHz対応) |
IEEE802.11ac (2.4/5GHz対応) |
IEEE802.11ac (2.4/5GHz対応) |
カメラ画素数 | 1220万画素×2 | 1650+1310万画素 | 1920万画素 |
インカメラ | 800万画素 | 510万画素 | 1320万画素 |
防水/防塵 | IPX58/IP6X | IPX58/IP6X | IPX58/IP6X |
ワンセグ | ○ | ○ | ○ |
フルセグ | ○ | ○ | ○ |
おサイフケータイ | ○ | ○ | ○ |
NFC | ○ | ○ | ○ |
Bluetooth | 5.0 | 5.0 | 5.0 |
MHL(HDMI) | × | × | × |
キャスト | × | ○ | ○ |
SIM形状 | nanoSIM | nanoSIM | nanoSIM |
バッテリー容量 | 3300mAh | 3300mAh | 2700mAh |
Qi | ○ | ○ | × |
生体認証 | 指紋、顔、虹彩 | 指紋、顔、音声 | 指紋 |
USB端子 | Type-C | Type-C | Type-C |
カラバリ | Midnight Black、Maple Gold | オーロラブラック、クラウドシルバー、モロッカンブルー | ムーンリットブルー、ブラック、ウォームシルバー、ヴィーナスピング |
スペック的には3機種ともまったく不満のないもの。問題は片手操作となるスクロールチェックや文字入力。縦長で横幅は比較的抑えられているとはいえ、大画面のGalaxy Note8は不利になるだろう。
通信面でも各社の最新ネットワークに対応することで、最大通信速度はGalaxy Note8はドコモ版で下り788Mbps、auのisai V30+は下り708Mbps、Xperia XZ1はソフトバンク版で下り612Mbpsとなっている。
ただしこの最大速度は、3.5GHz帯の利用などが前提になっており、東名阪を中心とした一部エリアに限られている。それではベンチマークのテストから見ていこう。
ベンチマークテストではCPUが同じだけに接戦に
ベンチマークのテストには「AnTuTu Ver.6」と「3Dmark」を使用している。各機種で3回ずつ計測し、トータルスコアをはじめ各スコアの最高値を掲載した。
3機種ともSnapdragon 835を搭載するだけに非常に高いスコアで接戦。トータルスコアでは17万9736でisai V30+がリードしたものの、他の2機種も17万8000台で続いているほか、個別のスコアも僅差。唯一Xperia XZ1のRAMのスコアで離されている印象があるくらいだ。これは引き分け。
(最高値) | Galaxy Note8 | isai V30+ | Xperia XZ1 |
---|---|---|---|
AnTuTu | 178937 | 179736 | 178754 |
3D | 75306 | 72526 | 72484 |
UX | 55069 | 58829 | 58935 |
CPU | 38176 | 38326 | 39163 |
RAM | 11030 | 10156 | 8383 |
続く3Dmark(OpenGL)のスコアではこれも3機種とも接戦だが、Galaxy Note8が3項目すべてでリード。AnTuTuでも3Dのスコアが良く、ここはGalaxy Note8の勝ちだ。
(最高値) | Galaxy Note8 | isai V30+ | Xperia XZ1 |
---|---|---|---|
トータルスコア | 3765 | 3590 | 3684 |
グラフィックス | 4045 | 3880 | 3944 |
フィジックス | 3032 | 2845 | 2992 |
500通スクロールテストはisai V30+が非常に軽快!
スクロールテストでは事前にGmailを500通受信しておき、片手操作で上から下へスクロール、500通目に達した時間を競う。Gmailのアカウントは同じ、ストップウォッチを使用し、3回計測を行い、最速と平均タイムを求めている。
(最高値) | Galaxy Note8 | isai V30+ | Xperia XZ1 |
---|---|---|---|
最速タイム | 13秒98 | 10秒19 | 16秒10 |
平均タイム | 14秒73 | 11秒10 | 16秒67 |
最速タイム、平均タイムともにisai V30+の勝ち。3機種のなかで最も滑らかでスピーディーに感じる。操作していて軽やかだ。
それに続くのは、大画面のGalaxy Note8。スクロールが長く続きやすい。あまり頻繁に指を上下しないほうがよく、ゆっくりと大きく1度指を動かすのが良いようだ。意外なことに3機種のなかでは画面が小さめのXperia XZ1が3位。若干タイムの差もある。スクロールがすぐに止まる印象。指をササっと頻繁に動かしたほうが速いようだ。ただ指が抜けるというか、タッチの反応がいまひとつのときがあり、指をしっかり画面に触れさせることが大切だ。
文字入力はやっぱり本体が小さいXperia XZ1が速い
文字入力テストもいつも通り、Gmailの新規作成画面で、フリック入力により行ない、予測変換は使わない。以下の文章の全文を入力し通常変換で文章を作成している。各機種片手操作で3回、ストップウォッチで計測し、最速と平均タイムを掲載している。
「お世話になっております。ライターの小林です。明日の13時にASCII.jpの件、よろしくお願いいたします。」
なおGalaxy Note8はそのままでは両手入力が現実的なので(一応テストしてみたが片手操作では文字入力は困難)、「片手モード」を有効にしている。
(最高値) | Galaxy Note8 | isai V30+ | Xperia XZ1 |
---|---|---|---|
入力プログラム | iWnn IME for Galaxy 2.3.3 | オムロン Ver.2.10.1 | POBox Plus 3.5.0 |
最速タイム | 1分16秒09 | 54秒69 | 50秒84 |
平均タイム | 1分26秒13 | 1分1秒05 | 58秒74 |
ここで本体、画面サイズの差が出てきた。Xperia XZ1が最速、平均タイムともにリード。やはり3機種のなかでは片手操作がしやすい。とはいえそれでも5.2型だと端のボタンや変換候補が押しにくい。またタッチのレスポンスもさほど速いとは感じなかった。
続くのはisai V30+で、思ったよりも画面や本体の幅を感じる。そのせいか端にあるボタン、特に文字種の切り替えボタンがフリックをしても反応しないことも。本機にも「ミニビュー」という画面縮小モードがあるので、そちらを使う手もある。
3位は片手モードを使用したGalaxy Note8。最速でも1分を切ることはできず。とはいえキーボードは縮小しても本体サイズは大きいのでむしろ善戦したほうだろう。キーボードがむしろ小さ過ぎて、ボタンを押すのに慎重になってしまった。見た目よりはスムーズに入力できたが、それでも押し間違いは何度も起こる。
過去取り上げた機種では40秒を切る機種もあったが、ハイスペックでも本体や画面サイズが大きいとタイムは伸び悩む。片手操作が多い人には選びにくいかもしれない。
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