オプションのトラベルACアダプターに変えると80g軽量化できるが……
今まで、筆者にとって、ACアダプターは単なる周辺機器の1つであり、そこそこの値段で保証性能と安全性さえマトモなら問題ない程度の商品ジャンルであった。
しかし、昨今のユーザーの声が見える時代になって、企業側で商品の企画する人の意識も大きく変わり、ユーザーニーズを反映した面白い商品ジャンルに変貌しつつあるようだ。
すべてのモバイル系機器には必須のアイテムであるACアダプターは、従来通りの大多数の周辺機器として安くて安全で必要な機能が備わっていれさえすればいい製品と、日常で使うことが多く、持ち歩く製品でもあり、軽量で愛着の湧く差別化を明確に打ち出した個人向け製品を加えた2極化傾向のようだ。
マグネットで開閉するセンスのいい小さなDARTのパッケージには、本体とパソコンに給電する「2.1A USBポケット付き着脱式ケーブル(1.8m)」という長い名前のケーブル(以降、DC電源ケーブル)と、各社パソコンのDC受電ポートの形状に対応したノートPCプラグが全部で9種類、加えて英文取説と日本語取説、英文取説の一部に含まれるQuick Start Guide(英語)、携帯用のポシェットが入っている。
DARTは供給電力が最大65Wであり、ThinkPad 25に付属の標準ACアダプターや筆者が追加購入したオプション製品のトラベルACアダプターと同様だ。
基本的に、ThinkPadのUSBポートからUSBバスパワー(USB給電)の大容量HDDやスキャナー、DVDドライブなど――おバカな筆者のようにUSBコーヒーウォーマーや余計な扇風機などを接続しない限り、65WクラスのACアダプターでまず電源が不足することはないだろう。
ThinkPad 25に付属するACアダプターもメーカー純正の安心感はあり、昔に比べればそれほど法外なサイズや重さではない。
ただ壁面のACアウトレットからACアダプターまでを繋ぐ、重くて太くてやや長いケーブルは厄介だ。しかし世界中の国での共通利用を前提とした安全基準が目的なのでメーカーに早々に対応を期待するのは難しい。
筆者宅では自己責任で、重くて太くてやや長いケーブルを市販のL字型プラグに交換して使っているが、これだけでも総重量(実測272g)は40gも軽減される。
ちょうどそんなイメージの純正品が前述した65W トラベルACアダプターだ。本体直付けプラグは使用環境によっては多少不便な状況もあるかもしれないが、65W トラベルACアダプターなら持ち歩き重量は80g近く軽い194gを実現できる。
期待のDARTは、前述したように標準付属の9種類のノートPCプラグから使用しているモバイルPCのDC受電ポートに適合した1つのプラグを選択すれば、国内外のモバイルコンピュータのほとんどに対応が可能だという。
筆者の使っているThinkPad 25には、同社の言う断面がスクエアの「D1」プラグがマッチする。
筆者がDARTを使用するときのイメージは、ACコンセント→DART本体→DC電源ケーブル→D1ノートPCプラグ→ThinkPad 25という接続順序になる。
DARTのもう1つの特徴は、DC電源ケーブルの途中にUSBポートが1個サービスで付属していることだ。
一般的には、このUSBポートを使って、出張先の職場やホテルでモバイルPC以外のスマホなどを充電する用途が考えられる。
純正ACアダプターをDARTに変えると122g軽量化
さて、ひょんなことからまたもやモバイルコンピューティングの世界に再デビューとなりそうな感じだが、立て続けに入手したACアダプターは、すべて同じ65W、純正の272g(L字プラグを使えば232g)、オプション販売されているトラベルアダプターで194g、今回のお題であるDARTは150gだ(いずれもケーブル込みの実測値)。
標準ACアダプターの重量をわかりやすく仮に100と仮定すれば、DARTは122g軽くなって相対的な重量インデックスは半分強の56だ。
一方、ウェブ通販での価格を調べてみると、標準ACアダプターは2700円前後、トラベルACアダプターは4000円前後、DARTは1万2000円と超高価な存在だった。
DARTは標準ACアダプターと比較して、携帯重量は2分の1強だが、価格はなんと4倍以上という低コスパの製品となる。
問題は、絶対重量の150gと、意匠にも凝った世界最小・最軽量という価値を購入者がどう捉えるかだろう。
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