サイボウズ社が提供しているウェブサービス「kintone」は、一言で言うなら「簡単に自社の業務に適したシステムを作成できるクラウドサービス」だ。業務アプリを直感的に作成できるほか、社内SNSとしての機能も備えスピーディーに情報共有ができるなど魅力が盛り沢山だ。
本連載では、そんなkintoneの導入から基本機能の紹介、そしてアプリの活用法など、ビジネスの現場で役立つ情報を取り上げていく。第31回では、会社独自の承認フローをアプリ化してみる。
筆者が経営している飲食店向けに「テンサクアプリ」を作ってみる
業務の中には、上長の承認を得るフローがあるだろう。たとえば「物品購入申請」や「出張申請」「交通費申請」「旅費精算申請」なら、アプリストアにベーシックなアプリが公開されている。とはいえ、会社の業務は千差万別。今回は、一般的でない業務の承認フローをイチからアプリ化する手順を紹介しよう。
たとえば、筆者が経営する飲食店では、全スタッフが対外的に発信する情報をすべてチェックし、赤入れしている。日本語のクオリティーの向上や状況の把握、そして炎上を防止する目的だ。現在は、サイボウズLiveの掲示板を使っているが、多人数が投稿すると、ごちゃごちゃになってしまう。そこで、kintoneでテンサクアプリを作ってみることにする。
ここで活躍するのは、ワークフローを設定できるkintoneの「プロセス管理」機能だ。複数のユーザーでレコードの作成や確認といったワークフローを簡単に構築できるのが便利。まずは、アプリを作成し、「設定」タブから「プロセス管理」を開いたら「有効化」の「プロセス管理を有効にする」にチェックする。
続いて「ステータス」を用意する。原稿の「投稿」、上司の「チェック中」、修正する際の「差し戻し」、OKが出たら「承認済み」の4パターンとなる。このプロセスは増やしたり分岐させたりできるので、「副編集長のチェック」を承認されてから「編集長のチェック」というプロセスに進めることも可能だ。
ステータスを作成したら、次はプロセスを設定する。最初の投稿の作業者はもちろん、「作成者」なのでプルダウンメニューから選択する。アクション名を「原稿を投稿する」に、アクション実行後のステータスは「チェック中」になるように設定する。
チェックをするユーザーを選択したら、アクションを追加。「差し戻し」と「承認済み」というアクションとアクション実行後のステータスを用意する。
最後に、「差し戻し」ステータスで、「作成者」が原稿を修正したら、「再申請する」というアクションを作成し、アクション実行後は「チェック中」になるように設定すれば完了。左上の「保存」ボタンをクリックする。
アプリを保存したら、続いてフィールドの設定を行なおう。「フォーム」タブを開き、必要なフォームをドラッグ&ドロップで設定していく。作成者は自動入力にしておき、承認者も初期設定を入れておけば手間がかからない。どこに投稿するのかはラジオボタンで選択できるようにしておき、あとはタイトルと原稿、備考、画像などのフォームをドラッグすれば完了だ。ウェブ上で原稿を入力する人のために、フォームサイズを大きくしてあげてもいい。
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