このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

kintoneのユーザーグループで他のコミュニティとも交わる

kintone Café Japanで金春さんが語る「コミュニティは成長エンジン」

2017年11月24日 07時00分更新

文● 重森大

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

JAWS-UGで得たのノウハウをkintone Caféにトランスファー

 2014年頃、金春さんはkintoneと出会う。基本的にはノンコーディングでエンドユーザーでも使える製品だが、SIerとしてはAWSと組み合わせることでさまざまな活用の可能性を感じた。より深く使ってみようと思っていた矢先に、サイボウズからkintoneエヴァンジェリストとして活動して欲しいという依頼が舞い込んだ。kintoneを使い始めて、まだ1ヵ月ほどのことだ。

kintoneでスピーディに。難しければ、AWSで作る

「kintoneについてはこれから詳しくなればいい。それよりもサイボウズさんが期待していたのは、JAWS-UGで得たユーザーコミュニティ運営のノウハウでした。しかし、製品が違えばターゲットユーザーも違い、JAWS-UGの手法をそのまま持ち込めばいいわけではありません」(金春さん)

 JAWS-UGの参加者はエンジニアがメインでほとんどが男性。それに対してkintone Cafeには非エンジニアの比率が高く、事務や営業担当者も多い。そうした文化の違いを踏まえて、金春さんはkintone Cafeの改善を進めていった。ポイントは3つ。ビジョンを明確化すること、開催情報を集約して見つけてもらいやすくすること、そして支部設立や勉強会開催に関するルールの明文化だ。

「エンジニアは技術的に新しいこと、面白いことを追究する傾向にありますが、事務や営業担当者が入ってくると、営業職の強いイベントになってしまうことがあるんです。そうしたことがないよう、運営ルールは明文化しました」(金春さん)

ビジョンの明確化や情報の収集、ルールの明文化

 自身もkintone Café大阪の運営に携わり、2ヵ月に1回のペースで勉強会を開催。これまでの勉強会開催回数は、全国のkintone Caféの中で最多を誇る。

コミュニティは人もビジネスも変える力を持った成長エンジン

 AWSはそれほどビジネスに影響をもたらさなかったと語ったが、やはり継続は力なり。kintoneを扱い始めた2014年にはクラウドSIは売上の一部でしかなかったが、2016年にはクラウドSIが売上面でも既存ビジネスを上回るようになった。

「コミュニティから得られたビジネスへの影響は、直接的な売上だけではありません。コミュニティ活動を通じてアールスリーインスティテュートを知った人が、転職してくるようになりました」(金春さん)

 コミュニティ活動を通じて新しいメンバーを迎え入れるのは、転職サービスを通じた採用とはまったく違うと金春さんは言う。コミュニティにコミットしている人は、成長したいというモチベーションを持っており、熱量が高いからだ。また、コミュニティ活動を通じてすでに技量や人となりを把握しているというのも大きなポイントとなるだろう。クラウドSI中心にビジネスが変わり、人も変わり、今年はとうとうロゴも変えてしまった。ロゴが変わるということは、会社の文化が変わっているということ。それだけ、コミュニティ活動を通じてもたらされた影響は大きい。

ロゴまで変えてしまったアールスリーインスティテュート

「いま社会で求められるのは、アウトプットできる人です。アウトプットする力をつけるために何かを変えたいと思っているビジネスパーソンにとって、コミュニティは成長の場として大いに役立ちます。ビジネス上のリスクを取ることなく、アウトプットの力を磨ける場だからです」(金春さん)

 また、コミュニティにコミットしているひとはアグレッシブだと金春さんは指摘する。コミュニティで積極的にアウトプットを続けていれば食いっぱぐれる心配がなくなるので、本業でもリスクを恐れずにチャレンジできるようになるからだろう。実際、転職先を決めずにフリーエージェント宣言をしたとあるエンジニアには、14社からオファーがきたという。

「そんな求められる人になりたいという人は、どうすればいいのでしょうか。簡単です。背中を押されてください。コミュニティに巻き込まれてください。私自身も、巻き込まれてここまで活動してきたひとりです」(金春さん)

 その経験から、金春さんは積極的にいろいろな人を巻き込んでいくようにしているという。そう言って示されたスライドにはJAWS-UGの赤塚さんや立花さんの写真があった。こうしたの後、まとめとして金春さんは「コミュニティは成長エンジンだ」と語った。

巻き込み、巻き込まれるコミュニティは成長エンジン

「不安定なこの時代、コミュニティにコミットすることであなたのポジションが明確になります。リスクを取れるようになり、アウトプットする力も身につきます。この話を聞いて、いま写真を撮っている皆さん、絶対にコミュニティ活動に参加してくださいね! 写真撮ったんだから(笑)」(金春さん)

■関連サイト

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ