左右ペアで10gを切る軽さ
次に驚くべきところはイヤフォン本体の軽さだ。左が約4.5g、右が約5g。ああ、これでは高級プレミアム機の立場がない。もう4g程度では、高い値付けを正当化できない。今までそれで稼いできたブランドの皆さんはほかの手で頑張ろう。
バッテリーの性能はごく普通。イヤフォン本体のフルチャージに約1時間、それで約2.5時間の連続再生ができる。フルチャージにしたバッテリー内蔵充電ケースには、イヤフォンを約5回チャージする容量があり、都度継ぎ足して使えば1日は持つ。ちなみにバッテリー内蔵充電ケースの充電時間は約2時間。これは家に帰ってやればいい。
その充電ケースも実にお金がかかってなさそうに見えるが、コンパクトで大変よろしい。しかも軽い。フタにポップアップ機構はないので、ロックボタンを押しながら指で開けなければならないが、慣れたらこっちの方がイヤフォンを落としにくいという良さもある。
以上、基本スペックにまったく不満はなかった。それどころか立派過ぎて感心した。では装着だ。
イヤーピースにも行き届いた配慮
付属のイヤーピースも気が利いている。XS/S/M/Lと4サイズが付属するシリコン製イヤーピースだが、XSを用意したのは素晴らしい。「あらこれ便利そう」と女性が買うことも想定しているのだろう。
さらに気が利いていると思ったのは、低反発ウレタン製イヤーピースが1セット付いていること。これはつまんで小さくして耳に押し込むと、耳穴の形に合わせて膨らむので、装着感はいいし、遮音性は上がるし、外れにくいし、ステージ用のイヤーモニターにも使われるとても良いものだが、ある程度使うとヘタってくる消耗品だ。が、これもパーツとしてドンキで売られているので心配ない。
とりあえずシリコンのイヤーピースで合わせてみた。とても軽くて心地よい。着脱も簡単だ。これで防水性能があれば、なお良かったと思う。
操作はエンクロージャー側面のマルチファンクションボタンでとなるが、通常このボタン配置は押すたびに耳の奥へイヤフォンを押し込むような不快感をともなう。しかしこのイヤフォンは、親指をマルチファンクションボタンに当て、イヤフォンの裏に人差し指をかけると、つまむようにして操作できる。だから操作にあたって不快感はない。
ペアリング操作も簡単だし、一度ペアリングしたスマホには自動的に接続する。機能的にも言うことがない。
ただ一般向けの製品として気になるのは、左右同じ形なので取り違えが起きやすいこと。左右が同じ形なのはコストダウンのためである。そう諦め、装着前にイヤフォンのLRの印字を確認するしかない。
さて、音はどうなのか。