業務を変えるkintoneユーザー事例 第15回
5社のファイナリストによるガチなプレゼンバトルをレポート
優勝は岩手の京屋染物店!今年もkintone AWARDが熱かった
2017年11月16日 09時00分更新
ビケメンをサポートするシステムをkintoneで(ダイワ)
3番手のダイワからは、総務部人材開発課の髙田直哉氏が登壇した。ダイワは、建設現場で職人さんたちが利用する仮設のビケ足場を施行付きでリースしている会社。九州北部に13拠点を展開している。お題は「業務の足場はkintoneで固めるガテン系総務の挑戦2」だ。
髙田氏は、本来採用業務を行うはずなのだが、総務という立場上いろんな業務が舞い込んでくるという。業務用車両や社用携帯の管理からSNSの中の人、ビケメンを紹介するサイトの運営などまで手がけている。同社では、ビケ足場を組み立てるイケメンということで、働いているスタッフのことを「ビケメン(美形男)」と呼んでいるのだ。
kintoneはさまざまな業務で活用しているそう。車両や携帯電話の管理から、採用の応募者管理、従業員の名簿にまで活用している。しかし、アプリをたくさん使っていると、物足りなくなるところが出てくるそう。工事の進捗状況をガントチャートで表示したいとか、生年月日を入れると年齢を自動で表示したいといった要望だ。そんな時、髙田氏はkintone hive onlineやkintone Cafeから情報収集し、プラグインや外部サービスを活用して要望に応えているという。
事例としては、事業部長が「みんなの休暇を一目でわかるようにして」と要望。謳い文句通りに3分で休暇予定アプリを作成したという。ルックアップから所属や部門ごと名前を入力し、カレンダーに休暇が一覧表示されるようになった。しかし、その後事務員さんが残業するようになった。毎月届く休暇のメールと勤怠表とをつきあわせる作業に手間取っていたのだ。そこで、関連レコードを追加し、有給なのか忌引きなのかを入れて、さらに入社年月日から有給を計算できるようにした。これには、cybozu developer networkから手に入れたJavaScriptを利用しているそう。そのおかげで休暇のメールのやりとりと、社員それぞれに作っていたExcelブックが不要になった。
最後に髙田さんが大切にしている言葉として「人の前に灯りをともせば、自分の前も明るくなる」と紹介してくれた。人の業務を楽にしてこそ、自分の業務が楽になってくるという。まだまだ、社内にはアナログな業務が残っているそうで、今後も総務の立場からkintone化を進めていくという。
「ログイン少ない学生は落第する」(大阪産業大学デザイン工学部)
4番目はkintone hive初となる学生さんが参戦。大阪産業大学デザイン工学部情報システム学科4年生の大嶋智子さんがプレゼンしてくれた。お題は「「kintone」を使って「すとーん」っと理解!コミュニケーションの活性化を図れ!」だ。
大嶋さんは卒論のテーマにkintoneを選んだ。2016年10月に研究室に配属されてすぐは何もわからず先輩の様子を見ていたのだが、年が明けると落第してしまった人が出てきた。研究室では2016年3月からkintoneを活用していたのだが、別の先輩の研究結果によると、kintoneのログイン数と卒業研究の成果が相関関係にあるというのだ。つまり、落第した人はkintoneにログインしなかったのだ。また、ある先輩は家庭の事情で半年ほど大学に来なかったのだが、こまめにkintoneにログインして情報をインプットしていたことで、戻ってから研究を続けて卒業できたという。
そこで大嶋さんは「作るより使う」、つまりログインを促すことを課題にして研究をスタートした。ある日、朝に研究室が開いていない場合、鍵を取りに行くのが面倒という声を聞き、kintone上で研究室の状況がわかれば手間が省けるということがわかった。そこで、IoTによる在室確認アプリを開発。研究室に人がいる間は照明が点いているので、照明センサーとラズベリーパイで検出するようにしたのだ。これをkintoneの「お知らせ」に表示させた。
すると、在室確認をするためには、kintoneにログインする必要があるので、自然とログイン率が向上することになった。在室確認することで、タスクやメッセージの新着も目に入たり、誰かいるなら行こうかなというモチベーションにもなるというメリットが生まれたとのこと。
既存の日報アプリにも不満があった。卒業研究内容と就職活動内容を一緒に入力していたので、後輩が活用しにくかったのだ。貴重な先輩の情報を活用するために、どの先輩がいつどんな会社でどんな活動をしたのかをわかるように改良したという。
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