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業務を変えるkintoneユーザー事例 第15回

5社のファイナリストによるガチなプレゼンバトルをレポート

優勝は岩手の京屋染物店!今年もkintone AWARDが熱かった

2017年11月16日 09時00分更新

文● 柳谷智宣

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20周年を迎えるサイボウズは2017年11月8~9日、幕張メッセで「Cybozu Days 2017」を開催。その中で、kintoneのユーザー交流イベントの集大成「kintone AWARD 2017」が行なわれた。ファイナリスト5社がプレゼンし、参加者の投票によりグランプリを決めるイベントだ。

kintoneのユーザー交流イベントの集大成「kintone AWARD 2017」が開催された

31社のエントリーからファイナリスト5社がプレゼン合戦!

 「kintone hive(キントーンハイブ)」は、kintoneのユーザー同士が自社の導入事例を共有し合い、お互いの業務改善に活かそうというイベント。東京では、5月19日に開催され、その様子は「第6回 ジーベックがkintone導入で体験した期待、幻滅、そして改善」「第7回 新しい顧客管理システムにkintoneを選択したリノベる その理由とは」で紹介している。

 「kintone AWARD 2017」はそれらのイベントの集大成として、一般のウェブ投票が行われた。31社がエントリーした中から、そのトップ3社と推薦の2社が登壇することになった。

2017年、kintone hiveの集大成!

審査員の面々

 最初は、リクルートキャリアで、お題は「“どうせうちの会社は見放されちゃうんでしょ”とは言わせない!接点が少ない顧客の業績を【少人数/効率的/短期間】で大幅UP」だったが、その場限りの情報ということで、残念ながら取材はNGだった。

「kintoneは闇を照らす明かりそのもの」(京屋染物店)

 2番手は「京屋染物店」。大正8年に創業し、もうすぐ100周年を迎える染物屋で、岩手県一関市にある。創業当時は染物屋も1万4000社あったのだが、現在は300社にまで激減する、典型的な衰退産業となっているそう。さらに、一関市も人口の減少率が全国2位となっており、国から消滅可能性都市に指定されているとのこと。

京屋染物店代表取締役の蜂谷悠介氏

 蜂谷氏は7年前に社長となり、この絶望的な状況を何とかしたいと死にものぐるいで仕事を取ってきた。しかし、社員から「社長にはついて行けない」と言われ、真っ暗闇になってしまう。がんばれば残業は増えるし、有給は使えなくなる。休みもなくなり、過酷になるが儲からないし、先も見えない。

 そんな時に出会ったのがkintoneだった。自分たちでカスタマイズできるので、導入がスムーズだったという。kintoneを導入して、会社の様子が180度変わったそう。残業がなくなり、休日が増え、有給もばんばん取れるようになり、育休や産休の社員までいる。求人を出せば、染め物業界なのに若い人たちが来てくれる。時間にも心にも余裕が出ているのに、毎年毎年最高益を更新しているのだ。

 蜂谷氏はkintoneのことを「闇を照らす明かりそのもの」と断言。とはいえ、契約すれば即なんとかなるわけもない。蜂谷氏は導入前に「何のために働くのか」というのをみんなで話し合ったという。そのうえでkintoneを導入して徹底活用するという流れになったそうだ。

 同社には営業、デザイン、染色、縫製の4部門があるが、以前はお互いの部門を助けるという考えがなかったとのこと。しかし、kintoneを入れたことによって、進捗管理のグラフを全員が見られることにより、仕事が詰まっている部門を助けようと自然に動くようになった。また、導入前は経営者だけが見ていた経営情報をkintoneのポータルに表示したところ、従業員のモチベーションがアップし、さらに会社をよくしようと思ってくれたそう。その結果、kintoneの一覧は16種類、グラフは31種類が作成され、活用されている。

kintoneは「闇を照らす灯り」という

社員と目標をとことん話し合った

kintoneによる情報共有で社員のモチベーションが向上し、多数のアプリを活用するようになった

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