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NETGEAR製品レビュー

中小企業の“兼任IT管理者”が助かるネットワーク新製品を、さっそく使ってみた

スマホで社内ネットワーク設定?ネットギア「Insight」って何

2017年10月31日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

提供: ネットギア

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 今年9月、ネットギアが「NETGEAR Insight」対応のネットワーク製品群(レイヤー2スイッチ、無線LANアクセスポイント)を発売した。同社によれば法人向け製品として初めて、スマートフォンアプリだけで設定や管理が可能であり、クラウドを通じて外出先からでも社内ネットワーク機器の稼働状態を監視することができるという製品だ。

「NETGEAR Insight」アプリの画面例。スマートフォンアプリでどこからでもネットワーク機器の管理や設定ができる

Insightは、社内にあるネットギアの各種ネットワーク機器(スイッチ、無線LANアクセスポイント、NAS)をまとめて管理できる

 「社内ネットワークがダウンしたら業務がストップしてしまう」というのは、いまや企業規模を問わず共通する悩みだろう。だが中小企業では、社内ネットワークを管理するのが“兼任IT管理者”だったり“ひとり情シス”だったりして、ネットワークのお守りばかりしているわけにはいかないのが実態だ。そんな悩みを、このInsightならばばっちり解決してくれそうだ。

 しかし、そもそもスマホアプリだけで、本当に十分な設定や運用ができるのだろうか。ちょっと話を盛ってないか。ぜひ試してみたいなあ、とぼんやり考えていたところ、ネットギアから試用機が送られてきた。以心伝心でありがたい。

 そんなわけで、今回から3回シリーズでこのInsightアプリを使った社内ネットワークの簡単運用管理についてレビューしていく。第1回はまず、Insightアプリの仕組みやこのアプリでできること、使用開始手順などを、実際にアプリに触れながら紹介しよう。

中小企業のネットワーク管理はCUI→GUI→スマホアプリへ!

 Insightアプリの話を始める前に、まずはこれまでの社内ネットワーク管理における「悩み」を、簡単に振り返っておこう。

 法人向けネットワーク機器の設定作業といえば、かつてはコマンドラインインタフェース(CLI)で行うのが当たり前だった。シリアルケーブルやTelnetなどで機器に接続し、ターミナル画面から1行ずつコマンドを入力して……というアレだ。今でも大規模ネットワーク向けの製品はそうなのだが、ひとまずその製品を設定するコマンドや書式を知らなければ何もできない。つまり、ネットワークエンジニアとしてのスキルと知識が必要であり、そうした専門家のいない中小企業では、外部の専門家(SIerなど)に作業を依頼するしかなかった。

 やがて、中小規模ネットワーク向けの機器にはグラフィカルユーザーインタフェース(GUI)が搭載されるようになった。家庭向けルーターなどではおなじみの、Webブラウザからアクセスして設定するアレだ。ネットギアでは2003年発売のスマートスイッチから、法人向け製品でWeb GUIを採用している。GUIならば、難しいコマンドを知らなくても社内ネットワークが設定、構築できる。現在では、多くのメーカーが中小ネットワーク製品でWeb GUIを採用するようになっている。

中小企業向けネットワーク製品ではWeb GUIが標準的になった(画面はGC510PPのWeb管理ページ)

 ただし、それでも中小企業のネットワークでは運用管理の問題がないわけではなかった。社内ネットワークは、ルーターやスイッチ、無線LANアクセスポイント(AP)など複数の機器を組み合わせて構築することになる。設定を行う際は1台ずつ、Webの管理画面にサインインして操作しなければならない。また、運用中にそれぞれの稼働状態を知りたい場合や、トラブルが発生して原因を調べたい場合も同じだ。会社が成長し、ネットワーク機器の台数が増えてくると、兼任IT管理者やひとり情シスとしてはこの作業がツライものになっていく。

 そこで、ネットギアが新たに提案するのが“社内ネットワークをスマホアプリで設定/管理”しよう、というものだ。社内ネットワークを構成する複数台のネットギア製品を、1つのアプリから簡単に設定/管理できるようにする。外出先(社外)からでも、それぞれの機器の稼働状態をひとまとめに監視でき、アラートもスマホに届くので、トラブル発生時の対応もより迅速になる。

 Insightの全体像は下図のとおりだ。Insight対応のネットワーク製品を社内ネットワークに接続して、クラウド上で自分のMyNETGEARアカウントにひも付ける(登録する)。デバイスは常に最新の稼働状態をクラウドに送信しており、またクラウドからの操作コマンドも受け付けるようになっている。これにより、管理者がどこにいても、モバイルデバイスのInsightアプリで稼働状態を確認したり、設定を変更したりすることが可能になる。

 このとき、インターネットアクセスできるネットワーク環境であれば、ファイアウォール設定を変更したりVPNを設定したりする必要はない。ここは便利なポイントだ。

NETGEAR Insightにおけるデバイス、アプリ、クラウドの役割(模式図)

 なおInsightは、Insight対応の新しいスイッチや無線LAN APだけでなく、ReadyNASなど一部従来製品の監視にも対応している。ただし、初期設定(セットアップ)までできるのはInsight対応製品だけだ。

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