無料で使える「ReadyCLOUD」経由で、外出先や出張先から社内のReadyNASにアクセス
ReadyNASをクラウドストレージ化して、シャドーITをなくす
2017年05月01日 08時00分更新
社外とのファイル共有もReadyNASでやっちゃえばいいじゃないですか
──御社でもやっと「ReadyNAS」を導入したそうですね。
うん、先月、大事なファイルが消えて痛い目に遭ってから、やっとね……。
上司を説得して大容量モデルのReadyNASを導入したから、社員みんなが持ってるドキュメントやプレゼン資料を全部入れても大丈夫。「X-RAID2」でディスク故障に備えているし、「回数無制限スナップショット」が使えるから、操作ミスしてもファイルをなくす心配がないし。オフィス向けのReadyNASは、やっぱり安心感が違うよねー。
──まるでコマーシャルのようなていねいなご説明、痛み入ります。
あはは。ただ、仕事のファイルをReadyNASに保存してると、持ち出したいときはちょっと面倒だけどね。営業で外出する前とか出張の前とかには、NASからPCにファイルをコピーしとかないといけないでしょ。準備でバタバタしてたら、つい忘れそうで……。
── ……ん?(笑顔で)
えっ?(笑顔で)
――あのーもしかして、クラウド経由で外出先からでもReadyNASにアクセスできること、ご存じないのですか?
あ……できるの?
外出先や出張先からReadyNAS上のファイルにアクセスする方法
本連載第1回で説明したとおり、オフィス内で扱う業務ファイルには「保護」と「共有」が必要だ。そこで前回は、ReadyNASの「X-RAID2」や「回数無制限スナップショット」といった機能によって、ファイル(データ)を保護できることを説明した。
NASは、企業内のファイルを安全に保護するための機器である。そのためにはまず、社員に積極的に使ってもらい、業務ファイルはPCのハードディスクではなく、NASに保存するという文化を根付かせなければならない。しかし「PCのハードディスクにファイルを置きっぱなしにするのは危険ですよ」と口を酸っぱくしても、なかなか積極的にはNASを使ってくれないかもしれない。ちょっとした変化であっても、これまで馴染んできた業務スタイルを変えるのは誰でもいやなのだ(PCのハードディスク故障を体験しないうちは)。
「より安全になる」よりも「より便利になる」というほうが、社員にNASを使うよう説得するうえでは効果的かもしれない。NASにファイルを格納しておけば使い勝手が良くなる(そのうえ安全にもなる)ならば、活用も自然に広がるだろう。
そうした便利な機能の1つが、インターネット経由でNAS上のファイルにアクセスできる“クラウドファイル共有”である。ReadyNASの場合、標準でクラウドファイル共有の仕組みを用意しており、無料(追加料金なし)で使える。ReadyNAS上のファイルを外出先で取り出したり、社外の取引先とファイルをやり取りするための共有ファイルスペースとして使ったりすることができるのだ。
今回はReadyNASに、ネットギアが提供する「ReadyCLOUD」サービスを組み合わせ、クラウドファイル共有機能を利用する方法を説明していこう。
飛行機の中から自宅のReadyNASへファイルをアップロードしてみた
細かな解説を始める前に、ちょっとした体験談を記しておく。
先日、取材で福岡県北九州市を訪れた。羽田空港から1時間強の空の旅である。指定の席に着き、座席の前ポケットにある雑誌や案内カードを眺めていると、機内Wi-Fiサービスの案内があった。しかも今は、キャンペーン中につき「サービス無料」だという。無料ならば使ってみない手はない。
さっそく持っていたiPadを取り出し、機内Wi-Fiに接続してインターネットにアクセス。「機内なう」とばかりにTwitterやFacebookで報告して、時代の最先端を走っている俺、を演出する(←むしろ流行遅れ感があるが)。
と、ここで気づいた。「機内からでもReadyNASにアクセスできるのでは?」。もともと、宿泊先のホテルから自宅のReadyNASにアクセスして記事にしようとは考えていた。だが、もしかしたら雲の上からでもクラウド経由でアクセスできるのでは? 答えは「できる」、できるのだ!
やや興奮しながらWebブラウザを開き、ReadyCLOUDのトップ画面からログインすると、難なく自分のホーム画面が表示された。自宅に設置しているReadyNASのフォルダ、ファイルが見えている。
ものは試しと機内の様子をiPadで撮影し、その画像をReadyNASにアップロードしてみると、あっけなく成功した。ReadyNAS上に保存された画像ファイルのプレビューもばっちりだ。
ちなみに筆者は「Dropbox」や「OneDrive」といったオンラインストレージサービスも利用しているが、無料で使えるのはせいぜい数GB。その一方で、ReadyNASならば、導入したモデルの容量(大容量モデルならば数十TB)がそのままクラウド経由でも使えるわけで、比べものにならない大容量だ。ブラウザから使うReadyCLOUDの使い勝手も、オンラインストレージサービスに引けを取らない。
また、コンシューマー向け(家庭向け)NAS製品でも“パーソナルクラウド”などと呼ばれる機能を備えたものがあるが、こちらは基本的に個人ユーザー向けの機能だ。ReadyNASのように、社員(ユーザー)ごとに異なるアクセス権限を与え、安全に利用させることは難しい。また、後述するような、ビジネス活用できる豊富なファイル共有機能もない。
それにしてもファイルサーバーとオンラインストレージサービスの使い勝手を両立させた仕組みが、これほど簡単に利用できるとは……。ReadyNASの進化、おそるべしである。
ReadyCLOUDで、社外とのフォルダ共有もダウンロードリンクのメール添付も簡単
それでは、ReadyNASにインターネット経由でアクセスするための設定や、ファイル共有する方法について説明していこう。
旧来のファイルサーバーは、社内設置のサーバーに外部からアクセス可能にするために、ファイアウォールの設定を変更したり、VPNのような仕組みを用意したりする必要があった。つまり、難しく面倒な作業が必要であり、さらに社外の取引先などと共有しようと考えても、セキュリティの問題が浮上して、よほどのことがなければ実現できなかった。
だがReadyNASの場合は、ネットギアのクラウドサービスであるReadyCLOUDのアカウントを無料で取得し、設置済みのReadyNASとひも付けるだけで簡単に利用できる。インターネットアクセスできる環境であれば、ファイアウォールの設定変更も不要だ。ちなみに、ReadyNAS/ReadyCLOUD/クライアントデバイス(PCやタブレット、スマートフォン)間の通信は暗号化されており、セキュリティの心配もない。
まず、ブラウザでReadyCLOUD(https://readycloud.netgear.com/)にアクセスし、右上のメニューで「日本語」表示に切り替えたうえで「サインイン」をクリックする。「アカウント作成」をクリックして、MyNETGEARアカウントを作成する。入力したアドレスに確認(Verify)メールが届くので、メールに書かれたリンクをクリックする。これでMyNETGEARアカウントの登録は完了だ。
次に、ブラウザでReadyNASの管理者ページを開き、「クラウド」タブの「ReadyCLOUD」の項目を「ON」に切り替える。すると「MyNETGEARアカウントに参加する」というウインドウが表示されるので、先ほどReadyCLOUDで登録したメールアドレスとパスワードを入力して「参加」をクリックする。これでこのReadyNASが、MyNETGEARアカウントにひも付けられた(なお、このアカウントは管理者アカウントとして扱われる)。
再度、ReadyCLOUDでサインインすれば、ひも付けられたReadyNASのフォルダ/ファイル画面が表示され、ブラウザ上でフォルダ/ファイルのダウンロードやアップロード、閲覧、削除などができる。作業はたったこれだけだ。
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