負荷に合わせてシステムが自動でリソースを割り振る新たなクラウド技術の実現に向け
ペパボ研究所×九州大学、コンテナ型仮想化技術によるクラウドホスティングの共同研究開発
2017年10月20日 19時00分更新
GMOインターネットグループは10月20日、GMOペパボの研究組織「ペパボ研究所」と九州大学 情報基盤研究開発センターの共同で、コンテナ型仮想化技術を基盤に用いたクラウドホスティングに関する研究開発を開始したと発表した。
コンテナ型仮想化技術は、ユーザーごとに独立したアプリケーション実行環境(コンテナ)を1つのOS上に複数構築することで、より少ないコンピューターリソースで仮想的な動作環境を実現する技術。一般的に用いられているレンタルサーバーでは運用は手軽であるものの、突発的なアクセス集中などが発生した際のリソース拡大はサービス提供者しかできない。また、専用サーバーやVPS・クラウドサービスでは自由にサーバーのリソースを増減できるが、監視や運用管理が必要となる。
GMOペパボではコンテナ型仮想化技術を用いたクラウドホスティング環境としてレンタルサーバー「ロリポップ!」を構築しており、リソースの自動調整技術は試験提供中の「マネージドクラウド」プランの基盤技術として用いている。
ペパボ研究所では、生物の細胞が持つ生命維持機能のようにシステムが自律的にリソースの制御を行なう研究に取り組んでおり、今回の共同研究では、九州大学 情報基盤研究開発センターとともに負荷下での実証実験等を行なう。具体的には、極端な高負荷下での性能テストをはじめ、適切なリソースの増減テスト、利用可能なリソース量が利用者側の要求に満たない場合のリソーススケジューリングテスト、迷惑メール対策などのセキュリティー向上手法等の実証実験を実施。共同研究は2018年3月末まで実施し、より頑健で柔軟なクラウドホスティングの実現を目指すという。