厳しい電波環境の中で、100台のPCに安定した無線LAN接続を提供するには
オフィスNWの全面リニューアル、シーオスがネットギアを選んだ理由
2017年10月16日 08時00分更新
医療、通信など、幅広い産業におけるロジスティクス(物流)をシステム化、ネットワーク化で支援するシーオス。そのシーオスが、業容拡大に伴う本社フロアの拡張に際して、社内ネットワークのフルリニューアルに踏み切った。そこで採用したのが、コストパフォーマンスと管理性に優れるネットギアのコントローラー型無線LANやL2スイッチ製品群だった。
ネットギア製品の導入で、これまでの社内ネットワークが抱えていた幾つもの課題をどう解決したのか。今回は、シーオスでITインフラ担当を務める森夕布紀氏、構築作業を手がけたデンケン 営業部の青木正氏に話を伺った。(取材日:2017年9月14日、所属名は当時のもの)
オフィスフロア移転にあわせて社内ネットワークもリニューアルへ
もともとシーオスは2000年、病院内の物品物流管理を行うSPDシステムの開発からスタートした会社だ。その後、医療市場で培った技術とノウハウを基に、通信業や製造業、小売業などへとターゲット市場を拡大し、コンサルティングやシステム開発、ソリューション提供を通じて、各産業におけるロジスティクスの高度化を支援してきた。
近年では、IoT/AI/ロボットといった最先端技術を活用した次世代のロジスティクス、「Smart Digital Logistics」を提唱しており、業界初の仕組みも次々と世に送り出している。さらにはBtoC事業として、トライアスロン関連のビジネスを行うユニークな側面も持つ。現在は渋谷区恵比寿にある本社のほか、川崎事業所(神奈川県川崎市)、大阪事業所(大阪府箕面市)も構え、従業員数は224名(2017年9月1日現在)を数える。
こうした業容の拡大もあって、シーオスでは近年、本社オフィスが手狭になっていた。現在のビルに入居した6年前当時、本社従業員は30~50名程度だったが、現在では120名超と2倍以上になっている。また本社組織としても、6年前の4部門から現在は6部門2室(社長室、内部監査室)へと拡大している。
そこでシーオスでは、ビル内でフロア移転を行い、オフィスを拡張することにした。これまでは1フロアの半分ほどの広さだったが、移転後は1フロア全体を使い、ほとんどの部門をフリーアドレス化する。このフロア移転計画は、今年(2017年)初頭から検討が始まっていたという。
「ただ、社内ネットワークをリニューアルする話が出たのは4月上旬になってからでした。その時点でフロア移転のスケジュールは6月末と決まっていましたので、大急ぎで新しいネットワークの検討を進めることになりました」(森氏)
つながらない、安定しない、手間のかかる無線LAN環境を刷新したい
前述したとおり、本社従業員の数は6年前と比べて2倍以上になっている。社内ネットワークに接続されるデバイスの数も増え、現在では従業員用のPCがおよそ100台、その他のIPデバイス(プリンタなど)も10数台ある。森氏は、これまでの社内ネットワークには幾つかの課題があり、リニューアルを機にそれを解消したいと考えたと語る。
「社内ネットワークはちゃんと設計していたわけではなく、6年前の小さな規模から何度も拡張を重ねてきたものでした。そのため、各自のPC通信が安定しない、つながらないといった問題がしばしば起きていました」(森氏)
一部を除き、シーオスでは各従業員のPCを無線LANで接続している。これまで、従業員の増加に応じて段階的にアクセスポイント(AP)を増設してきており、移転前の段階でAP台数は3台になっていた。このAPは法人向けの製品だったが、これらを一元管理する無線LANコントローラーは導入しておらず、設定や調整は3台をそれぞれ個別に行っていた。PCがつながらない、接続が安定しないといった障害が発生するたびに、森氏ら2、3名の担当スタッフは対応に追われることになった。
「何か起きるたびに3台のAPにログインし、手作業で調整するのにはかなりの労力がかかっていました。今回のフロア移転で広さが倍になり、APの台数もさらに増えるとなると、手作業ではもう限界だろうと考えました」(森氏)
社内ネットワークにはそのほかの課題もあった。たとえば来訪者向けのゲストWi-Fiも提供できていなかった。そもそも、これまでの社内ネットワークはVLANに対応しておらず、ゲスト回線をセキュアなかたちで用意するのが難しかった。
また、社内ネットワークの利用ルールも明確ではなく、フロアにあるAPやスイッチにデバイスをつなげば利用できる状態だったため、従業員が持ち込んだデバイスを無断でネットワーク接続してしまうことも「ないわけではなかった」と言う。「この機会に、きちんとネットワーク利用を管理する文化に変えていきたい、という思いもありました」(森氏)。
「手が届く値段でやりたいことがカバーできる」ネットギアを選択
4月上旬、社内ネットワークリニューアルの話が持ち上がり、森氏はさっそく導入製品の検討に取りかかった。前述のとおり、ネットワークには数々の課題があったが「やはりいちばんの課題は無線LAN環境でした」(森氏)。移転を機にフリーアドレス化することもあって、従業員が社内のどこにいてもPCが安定して接続でき、なおかつ管理に手間のかからない無線LAN環境が必要だった。そこでまず、無線LAN製品を選定することにした。
製品検討開始当初、森氏はクラウドサービスを通じて一元管理できる無線LAN APの導入を考えていたという。そこで検討対象になった3社のうちの1社が、ネットギアだった。
「(3社の)コスト比較を行った結果、当社の手が届く範囲のお値段で、なおかつやりたいことがカバーできるのがネットギア製品でした」(森氏)
4月中旬にネットギアに問い合わせ、シーオスが求めるネットワーク環境の規模や使い方を伝えたところ、今回は1拠点(本社)のみの導入なので、物理アプライアンス型のコントローラーを社内導入するほうが安く付くだろうとアドバイスされた。そこで、すぐさまコントローラーとAP、PoEスイッチの検証機を借り受け、社内での実機検証を行った。
「フロア移転は6月末と決まっており、とにかく時間がなかったので『すぐ貸してください!』とお願いしましたね(笑)。テストは3日間しかできなかったのですが、実際に使っている無線LAN環境と置き換えてトラフィックには問題がないか、あとはGUIの管理画面が誰でも操作しやすいか、といったことをチェックしました」(森氏)
この時点でネットギア製品の導入が決定し、同時に森氏はネットギアから、ネットワークインテグレーターであるデンケンの紹介を受けた。デンケンはこれまでも多くのネットギア導入案件を手がけており、ネットギア製品に対する知識やノウハウも豊富だ。そして実は、ここでデンケンが加わったことにより、無線LAN環境に潜んでいた“ある問題”も解消されることになる。
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