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「攻め」の働き方改革~やらされるなんてまっぴら、自分のやりたいことをやる 第2回

自分が動きやすい方法を考えることが、出発点

働き方の自由を手に入れるために、時間の自由を手に入れよう

2017年09月26日 09時00分更新

文● 平山 信彦(内田洋行 知的生産性研究所所長)

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 より自由で自分に合ったスタイルで仕事をする。

 想像しただけで楽しそうな働き方です。しかし現実には、締め切りやスケジュールに追われて忙しく飛び回るだけの毎日という人も多いのではないでしょうか。自由に働くためには、ある程度の時間の余裕が必要となります。ではどのように、この時間の余裕を生みだすのでしょうか。

 まず、毎日が忙しく、とても余裕なんか無いという人は、この1週間のスケジュールを見返してみることをお勧めします。

 参加した会議やミーティングは本当に自分が出る必要があったのか、顧客や仕事仲間との打ち合わせは本当にその時がベストタイミングだったのか、何も仕事が進まなかったすきま時間はないか。

 このように見直すと、参加しなくてもなんとかなったミーティングや、もう少し先にセットしたほうが話が進んだと思える打ち合わせが見つかるかも知れません。

 アポの時間を少し工夫すれば、打ち合わせの間に1時間くらいの時間が生まれ、モバイルでひと仕事できたかも知れません。働き方を考える場合、スケジュールづくりが上手いか下手かが大きな分かれ道になります。

 スケジュールの達人と、なんとなくスケジュールが埋まってしまう人では、生産性が大きく違ってくるのです。なんとなく派は、自分でスケジュールを考えるというよりは、言われるままに会議や打ち合わせが入り、頼まれた仕事が入り、気がついたら予定がびっしり埋まっていた、なんてことが多いのではないでしょうか。

スケジュールの達人になる「目利き」と「段取り」

 一方、スケジュール達人は「自分が一番楽」に「成果を出せる」スケジュールを組んでいきます。

 達人の技は「目利き」と「段取り」です。

 目利きとは、その仕事は本当に自分がすべき仕事かどうかという判断力です。真面目な人ほど、(自分が適任かどうかよりも先に)依頼された仕事は自分でやり遂げようと考えます。

 これは決して間違ったことではありません。そのようにして仕事を覚えたり守備範囲を広げたりすることはとても大切です。

 しかし、スキルアップをするとか、実績を作って信用を勝ち取るといった目的もなく、頼まれたから引き受けるといったことを繰り返していると、いわゆる「便利屋」になってしまいます。それはあまり望ましい姿ではないでしょう。

 自分のことだけではなく組織としての生産性を考えても、もっと適した担当者がいるならそちらに回す、あるいは依頼者と話し合い最適な担当者を決めるといった対応が必要です。

 会議や打ち合わせも同様です。声を掛けられた打ち合わせにすべて出る必要はありません。本当に自分が必要とされているもの、自分が必要としているものにのみ出席する、ということができると、ずいぶんすっきりするのではないでしょうか。

 段取りは、仕事の流れをスムースにして、手戻りや待ち時間をなくすことです。

 アポイントの時間を上手く調整し、無駄なすきま時間を無くするのも段取り力のひとつです。段取りが上手い人には、スケジュールに個人の仕事(作業時間)を入れている人が多く見られます。

 ここで企画書を仕上げる、ここで見積書を作る、という個人の作業をあらかじめスケジュールにプロットしているのです。

 まさに自分のペースで仕事をするための準備万端といったところでしょう。段取りが上手いスケジュール達人にとっては、予定は「入れる」ものであり「入る」ものではありません。受け身になってどんどん予定を入れられ、気がついたら身動きが取れなくなっていた、なんてことがないように、自分のスケジュールを自分でコントロールしているのです。

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