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パソコンいらずでロボットの動きを制御する楽しい工作キット

パパも子供も大喜び!タミヤのカムプログラムロボットで遊ぶ

2017年08月26日 15時00分更新

文● 大谷イビサ

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 オオタニ家が毎夏楽しみにしている「Maker Faire」で先行販売されたタミヤの「カムプログラムロボット工作セット」を無事ゲット! 息子にせがまれ早々に作り上げ、パソコンいらずのロボットプログラミングを体験してみたのでレポートする。

コミカルな動きが胸キュンなカムプログラムロボットを作ったぞ

3456円でプログラム体験ができるカムロボットを先行ゲット!

 「カムプログラムロボット工作セット」は、パソコン不要でプログラムによる制御を体験できるロボットの工作セット。3456円という手頃な価格も大きな魅力で、これなら子供に1つ買ってやるかという気にもなる。

 先行発売されたカムプログラムロボット工作セットをゲットしたのは、8月上旬に開催された「Maker Faire 2017 Tokyo」の会場。同伴した息子と娘をレースカー制作コーナーで遊ばせているうちに、タミヤのブースに並んでゲットしてきた。前日の土曜日にはかなり売れてしまい、日曜日の販売数は24個のみだったらしい。そして、発売前に配られた自分の整理券番号は21番。後から来た人は何人もあきらめていたので、本当にラッキーだった。

Maker Faireでカムプログラムロボットを無事ゲット!危なかった

 さて、Maker Faireで歩き回った後、息子にもせかされ、さっそく自宅で組み立て作業に入る。幸い、筆者はダブルオー以来、軽度なガンプラオタクなので、カッターやニッパーなどの道具はそろっている。もちろん、アスキー編集者ということでドライバーも常備しており、組み立てに道具は問題なかった。昨年、同じくMaker Faireで「2チャンネル リモコン クワガタ」を購入し(購入させられ?)、その日のうちに完成したので、今回も簡単に作れるだろうと高をくくっていた。

「ガンプラ作れます」とはちょっと異なるレベルの難しさ

 しかし、説明書を開いてその難易度に驚愕。組み立てにはけっこう時間がかかった。多くのパーツに合い判の振られているプラモデルと異なり、タミヤの工作キットは(合い判の振られてない)ビスやギヤ、シャフト、ハトメなどを多用する。そのため、説明書を理解できても、まず正しいパーツを選ぶのに時間がかかるのだ。

 特に今回のカムプログラムロボットの場合は、同じビス、シャフトやハトメでも、太さや長さ、用途の異なる部品が数多く用いられている。ビスであれば、18mm、12mm、8mmのタッピングビスのほか、さらに段付も18mm、14mmのモノある。個々のパーツも小さく、イモネジに至っては3mm。いったん床に落としたら、探すのは至難のわざだ。ギヤやシャフトはグリスを塗りながらなので、手もべたべたになる。

ビスやギヤだけでもかなり種類がある……

 さすがタミヤなので説明書は丁寧だが、HGのガンプラを日常的に組み立てているスキルとはやや異なるレベルの難しさ。工作慣れしていない世のお父さんは、「明日の朝にはできてるぜ!(ドヤッ)」と軽い約束をしないほうが身のためだ。

スクラッチのGUIプログラムを物理的にやる感じ

 そんなこんなで翌日の夜にできあがったカムロボット。タミヤロゴの上の部分がなんとなく顔っぽくなっており、なんとも愛らしい。背面のスイッチをオンすれば、キャタピラが回り、腕をふりふりしながら前進。なんだか子供よりも、苦労して作った大人の方が感動してしまう(笑)。

背面にあるスイッチをオンにすれば、ノコノコ動き始める

 さて、もっとも売りのカムプログラムを見ていこう。カムプログラムは3種類のカムを穴の空いた「プログラムバー」に取り付けて、動作を制御する物理プログラムだ。このプログラムバーをロボットのおなかの部分にあるレールに前面から挿入し、スイッチをオンにすると、そのプログラムバーを読み込んで、それに従った動作を行なう。プログラムバー1本で35秒間動作を制御でき、連結することでさらに長時間の制御が行なえる。

プログラムバーにカムを取り付けて動作を制御

お腹にあるレールにプログラムバーを挿入

 制御できる動作は、大きく前進+左右旋回の「Aタイプ」と前・後進+その場を左回りの「Bタイプ」の2種類があり、組み立て時にいずれかを選択する。あとは、プログラムバーにカムを差し込んで、スタートして6秒後に左に60度曲がるとか、1.2秒後に前進し、3.6秒後に後進するといった具合。スクラッチ等を触ったことがある人であれば、あれを物理的にやっているのだとすぐ気がつくだろう。サンプルプログラムも説明書に書かれているので、まずはそれを試してきちんと動作するか確認してみよう。

角度の勉強しながら、息子もカムを取り付け始める

 今回はAタイプで組み立てた。指を動かすだけで動作を変えられるラジコンと異なり、カムロボットは本体のスイッチをオフにしない限り、前進を続ける。プログラムバーの1つの穴が1.2秒分に相当するので、左側の穴の6つめにカムを取り付けると、6秒後に下部の補助輪が接地され、任意の角度で左折を開始する。そのため、経路上にあらかじめ障害物を置いておき、それをうまくよけるようにプログラムバーのカムを取り付けるというのが基本的な遊び方だ。

底部はこんな感じ。モーター2つで動作しており、補助輪によって回転を制御している

 息子はまだ小学2年生なので、角度という概念を知らない。そのため、これを機に絵を描いて角度の概念を教えることにした。算数がわりと得意な息子は、意外とあっさり理解したらしく、自分でプログラムバーにカムを取り付け、遊び始めた。夏休みの自由研究でこれをやりたいと言い出したが、さすがに小学2年生にロボットの構造やプログラムバーでの動作制御を理解するのは時間がかかるため、今回は別のお題にしてもらった。今もカムを組み替えてコースを走らせたり、先住民のリモコンクワガタと対決させて、楽しんでいるようだ(笑)。

 このカムロボットはラズパイやIchigo Jamを取り付けて、より本格的なプログラムで制御できる。ただ、現時点ではお父さんがついて行けないので、とりあえずはこのまま遊んでもらうことにする。とはいえ、もの作りや機械の構造に息子が興味を持っただけでも、がんばって作ったかいがあったというもの。そろそろ夏休みも終わりだが、お父さんの夏の工作でチャレンジしてみるとよいのではないだろうか?

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