操作性の前に初心者にはホバリングの安定性が重要
さて、実際のAirSelfieの操縦に関しては画面の下半分に表示されている6個の矢印ボタンで行なう。見るだけでほぼ理解できると思うが、上昇・下降・左回転・右回転・左移動・右移動の全部で6方向へAirSelfieを移動できる。
筆者のような初心者がこのSelfieモードでAirSelfieを操縦して動画撮影などを行なうと、スムースな流れるような映像にはならない。
XYZ軸上をカクカクと断続的に上下左右に移動するような多少残念な撮影結果になってしまうのが一般的だ。しかし初心者には、そんなことよりも墜落せずに自分の思った方向に辿り着けることがなにより重要なのだ。
そういう観点からは、極めて小振りで操縦し辛そうなAirSelfieではあるが、実際に操縦してみると筆者のような“超”がつく初心者にも納得の行く操縦ができる素晴らしくよくできたドローンだと思えてくる。
何よりもそれを実現しているのは、指先を画面から離してすべての操縦操作を止めると、AirSelfieが空中の現在位置でまんじりともせず……とまでは行かなくても、とにかく空中を勝手にウロウロすることなくホバリングしてくれることだ。
背景には数々の素晴らしいテクノロジーの集積があるのだとは思うが、とにかく初心者には“操縦しない時の安定したホバリング”(空中停止)が何より重要なのだ。
マニュアルを読まずに操作したら大事故が……
原稿では、動画のチュートリアルを見て、そしてきちんとマニュアルを読んで、初フライトに臨んだかのように言っているが、実は、筆者は充電完了直後、即座に「Selfieモード」を起動し、画面の指示に従って、手のひらからトスして離陸開始、6つの操縦ボタンを何回か押しながら操縦してしまったのだ。
大事故はその時、しばらくスムースなフライトの後、何の前触れもなく突然起こった。
実は初フライトの当日は、ワイフがお花を習いに行っていた日で、この日は、教室から持ち帰った大きくきれいな百合の花と長い葉が水のいっぱい入った大きな花瓶に生けられて出窓に置かれていた。
極めて未熟な操縦で不用意に出窓に近づいたAirSelfieは、アッという間に花瓶から大きく伸びた百合の大きな葉に接触。その後、葉に載っかった格好でジェットコースターのように滑り落ちて、大きな花瓶の水の中に全体の半分強が水没してしまった。
その後も「緊急停止ボタン」も分からず、AirSelfieの強力な2つのプロペラは水の中でも回転して、多くの水を花瓶からリビングの床に一杯撒き散らしていた。
もう持っていても、その時点では使うあてのないスマホを投げ捨てて、筆者が指先で花瓶の中から掴みだしてやっとAirSelfieは停止した。
香港から送られてきたその日の夜の大事故で、もはや筆者のAirSelfieはご臨終で61gの超軽量の文鎮誕生かと思ったが、ダメ元で、ダイソンの超強力なドライヤーで小さな水滴をぶっ飛ばし、乾燥させ、同時に綿棒でAirSelfieのあらゆるところを完璧に拭いて再充電してみたところ、無事充電が終わり、なんと2ndフライトをその日の内に終えることができた次第だ。
AirSelfieがディザスターに強くよくできたハードウェアなのか、死に物狂いでやった事故後の対応策がよかったのか、はたまたただただ運が良かっただけなのか、それらのすべての総和なのか、今となってはわからないが、今も筆者のAirSelfieは元気に飛び続けてくれている。
もうしばらくSelfieモードで操縦のXYZ方向の修練を積んだら、中級、上級の「Selfieコントロールモード」や「標準コントロールモード」にもチャレンジしてみたいとも思っているが、正直な所、今のSelfieモードだけでも十分満足している。
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