液晶ディスプレーとキーボードの出来ばえは?
液晶ディスプレーのサイズは12.3型で、解像度は300×2000ドットだ。アスペクト比はSurface Proと同じ3:2であるものの、画素密度は「HP Spectre x2」のほうが高く、映像が高精細だ。また、輝度が約450nitと非常に明るい点もポイント。試しに筆者所有のNew Surface Proと比べてみたところ、「HP Spectre x2」のほうが明るかった。
ただし、色味は若干色かぶりしている印象を受けた。キャリブレーターで計測したガンマカーブを確認すると、明部で若干赤被りしているようだ。個人的にはSurface Proのほうが発色が自然なように感じるが、「HP Spectre x2」でも十分なレベルである。
キーボードはテンキーなしの全84キー構成で、キーピッチは約18.7mm。約19mmのフルピッチキーボードに比べるとやや狭く感じるものの、しばらく使っているうちにすぐ慣れる。キーストロークは約1.5mmで、一般的なモバイルノートと変わらない深さを実現している。配列でちょっと気になったのは、カーソルキーがとても小さい点だ。ただ実際に使ってみたところ、意外にも普通に利用できる。
キータッチは、軽めだ。だが入力時にカクっとした確かなクリック感があるため、タイプ感に物足りさはない。キートップはサラサラとしたマットな手触りで心地よく、さらに指紋や油脂の汚れが目立ちにくい加工が施されている。キー入力時のたわみは若干感じられたが、気になるレベルではなかった。これはキーボードのボディの素材として、剛性の高いアルミニウムが使われているためだろう。
唯一残念なのは、入力時のタイプ音だ。「HP Spectre x2」ではキーボードの上部がマグネットによってタブレット側に密着するようになっているのだが、その際にキーボードの底面とデスクの接地面とのあいだに空間ができる。その空間によってタイプ音が反響されてしまうのだ。
キーを軽めに打てばあまり気にならないかもしれないが、打鍵の強い筆者の場合だとタイプ音がかなり強く響いた。それもカチャカチャという音ではなく、「ドドドド」という感じの重低音だ。この音が、けっこうズッシリと体に響いてくる。「HP Spectre x2」を静かな場所で使うときは、少し弱めのタイプを心がけたほうがいい。
キーボード上部を本体側に密着させず、デスクにそのまま置くとタイプ音はほとんど気にならない。しかし試用機ではキーボードの底面部が完全に接地面に密着せず、わずかに浮き上がってしまった。そのためキーを押すたびにキーボード全体がグラグラと揺れてしまう症状が見られた。
またスタイラスホルダーとして利用するキーボードの布の部分について、デザイン的にわずかな違和感を感じる。スタイラスを持ち運ぶには確かに便利なのだが、この部分だけ妙にアナログ的だ。全体がスタイリッシュなだけに、この点については残念に感じる。
