KDDIは8月1日、2017年度第1四半期(4月~6月)決算を発表した。売上高は前年同期比6%増の1兆1986億6600万円。営業利益は2.3%増の2814億1400万円。モバイル通信料収入、付加価値ARPA収入の増益が押し上げた。7月10日発表の新料金プラン「au ピタットプラン」「au フラットプラン」の契約数も45万を突破するなど好調で、KDDI代表取締役社長の田中孝司氏は「ポジティブな追い風が吹いている」と語る。
モバイルID数は2603万人契約と拡大しモバイル通信料収入も順調な伸びと強調するが、モバイルID数の内訳を見ると2016年6月にはau契約者数は2558万、2017年6月には2496万契約と減少しており、MVNOへの流出傾向が続いていることがわかる。
田中社長は新料金プランの投入で他キャリアからのMNPが拡大するなど予想外の効果があったと語りつつ「学割シーズンのインパクトを受けた。新料金プランは1980円から出しておりリテンションが効いているかと思うが、新料金プランの投入で下げ止まりをしてくれるのではないか」と期待を寄せる。
段階制の新料金プラン「au ピタットプラン」とデータ上限20GBからの「au フラットプラン」に関しては、前述のとおり45万契約突破を強調。ユーザーの月間データ利用料平均も4GBを突破しており、これまで月間データ使用量が1~3GBの層がピタットプラン、5GB前後のユーザー層がフラットプランに移行しているとのこと。利益に関しては「当然、新料金プランで値下げしているので通信ARPAは下がる方向に進むと思う。半年なのでどのように向かっていくのかわからないというのが実情」「ただしユーザーに受け入れられているという手応えを感じている」(田中社長)と自信を見せる。
2017Q1も増収増益の決算発表となったが、大手キャリアからMVNOへの流出が続く傾向は昨年から続いている。田中社長は「モバイルID数はそれほど増えていない。我々はライフスタイル事業で稼いでいく」として、au WALLET商圏の拡大やショッピングモールの「Wowma!」、auでんきといったライフスタイル事業の拡大で収益を確保する方針。
質疑応答では7月31日発表のドコモのウルトラパックのテザリング無料キャンペーンの延長に関しての質問が飛んだが、田中社長は「我々の現状は来年3月までは無料期間となっている。その後どうするかは現状は検討中というステータス。マーケットの状況をしっかり見て考えていきたい」と対応の明言を避けた。