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心拍センサー付き完全ワイヤレスイヤフォンに見た活動量計の可能性

2017年07月10日 12時00分更新

文● 四本淑三

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 Jabraのトゥルーワイヤレスイヤフォン「Elite Sports」は、心拍センサー付きの高級スポーツモデル。音は大したことはないだろうと高をくくっていたら、1万円台後半の売れ筋機種と互角に渡り合える実力を持っていたのが驚きだった。

 機能的にもほぼ満点。1mの水中に30分間没しても平気なIP67の防塵防水性能、イヤフォンを外さずマイク経由で外の音が聞ける「ヒアスルー」、最後に接続したポイントを地図に表示する「ヘッドホンを探す」、ヘッドセット利用時に自分の声をモニターする「側音」、そして単純操作で望みのEQカーブが得られる強力な音楽用イコライザーなどなど。

 本格的スポーツモデルとしての機能を持ちつつ、音質的にも言うことなしという完璧に近いイヤフォンだが、問題は価格。e☆イヤホンで3万2800円。はっきり言って、ちょっと高い。

 が、このエクストラチャージは他社製品にはない心拍センサーを内蔵している点にある。その心拍センサー周りの機能がどうなのか。前回に続いて、今回は重点的にご報告したい。

耳に装着する活動量センサー

 Elite Sportsは心拍センサーに加えて、まるでライフログデバイスのように加速度センサーも内蔵している。これで運動強度と運動量を計測する。

 各センサーは右ユニットに内蔵され、心拍センサーはエンクロージャーの下にあるので、計測は右ユニットのみでも使える。その場合、左ユニットはケースの中に収めたままにしておけばいい。

心拍センサーは右ユニット下部に。側面を覆うシリコン製スタビライザーにも、センサー部を露出させるため右には切り欠きがある

シリコン製スタビライザーを外した様子。センサーのない左ユニット下部はブランクになっている

 耳に装着して正しく心拍が検出できると「心拍数を検出できました」という音声が再生され、検出に失敗するとイヤフォンの位置を調整するよう、これも音声でうながされる。トレーニング中にデータの欠測が起きても、やはり同様に調整するようアナウンスがあるので安心だ。

 というのも、一般的な心拍センサーは長い間欠測状態にあっても、スマートフォンなどでデータ表示を見るまで気が付かない。音声ですぐにチェックできれば、計測の失敗も減る。

 音声ガイドは、トレーニング中のコーチの役割も果たす。走行距離、経過時間、消費カロリー、心拍数、心拍数ゾーン、速度などの運動状態を一定時間ごとに読み上げてくれる。これも、いちいちディスプレーに目を落とす必要がないので、とてもありがたい。

 そして、なにより腕時計型のセンサーより素晴らしいのはトレーニング中に好きな音楽が聴けること。しかも、かなりイケてる音で。

フィッティングはスポーツモデル流

 ただスポーツモデルだけあって、オーディオ用イヤフォンに比べて、より高い装着安定性が要求される。特に、このイヤフォンは心拍センサーを内蔵しているので、その位置にも留意しなければならない。これはイヤーピースとスタビライザーを交換しながら、最適な組み合わせを見つけていくことになる。

 スタビライザーはフィン付き大、フィン付き小、フィンなしの3種が付属。イヤーピースは、通常のシリコンチップと、より遮音性の高いフォームチップがそれぞれ3サイズ付属する。

付属するスタビライザー。左からL(大フィン付き)、M(小フィン付き)、S(フィンなし)

付属のイヤーピース。右2列がシリコンチップ。左2列がフォームチップ

フォームチップは表面がラバーコートされ、通常のフォームチップより耐久性、装着性の面で優れる

 音楽を聴くだけならフィンなしのスタビライザーと、フォームチップの組み合わせで十分に安定する。音質的にも低域の厚みが適度にあって、私はこの組み合わせが好みだ。しかし、トレーニングのために走り始めると、イヤフォンがバウンドして耳孔の内圧が変化し、音をズンズンと感じるだけでなく、耳の奥に痛みを感じるようになった。

 そこで、まずフィン付きのスタビライザーを試し、それでも耳に痛みを感じたので、あえてシリコンチップで気密性を落とすという手を使った。装着感や音質の良し悪しだけでなく、トレーニングの内容次第で、どのレベルでフィットさせるかは違ってくるかもしれない。

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