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特別企画@プログラミング+ 第22回

6/10(土)は東京・御茶ノ水、6/12(月)は大阪・梅田でマストドンイベントやりますよ!

マストドン会議日記(1)― とある日の編集部風景

2017年06月06日 09時00分更新

文● 杉本 敏則

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遠藤さんが持つ水色のブツはいったい……?

編集部はまだまだマストドンイベントをやります!

 先日、遠藤さんが『角川会長に呼び出されて「マストドンを事業に活用せよ」と言われた』という記事を公開。そこでもご紹介してますが、下記(長い情報欄ですがお付き合いを!)の通り、当編集部はマストドンに関するイベントを、2017年4月・5月に続いて6月は2度の開催、6月7日~9日はInterop Tokyo 2017でのセッションもお手伝いすることになりました。

【マストドン関連イベント開催情報】

■マストドン会議3 ― ようこそ、Mastodon への "願望" と "思想" が交わる一日へ

■マストドン会議4 ―『地域インスタンスが、日本の経済も遊びも活性化する』関西インスタンス頂上編

■「マストドン」ブリーフィング @ Interop Tokyo 2017 幕張

  • 基調講演:マストドンを作った理由
  • 日時:2017年6月7日(水)15:15~15:55
  • 登壇者(敬称略)
      オイゲン・ロッコ (Eugen Rochko) Mastodon生みの親(遠隔出演)
      鷲北 賢 さくらインターネット株式会社 さくらインターネット研究所所長
      池澤 あやか タレント
      遠藤 諭 株式会社角川アスキー総合研究所 取締役主席研究員(司会進行)
  • 特設セミナー:ジャーナリスト座談会 ~マストドン現象と日本のネットの特殊性を考える~
  • 日時:2017年6月8日(木)15:05~15:45
  • 登壇者(敬称略、50音順)
      遠藤 諭 株式会社角川アスキー総合研究所 取締役主席研究員
      松尾 公也 アイティメディア株式会社 ITmedia NEWSチーフキュレーター
      山城 敬 株式会社インプレスR&D NextPublishing編集長
      山田 剛良 株式会社 日経BP 日経テクノロジーオンライン副編集長

※Interop Tokyo 2017イベントに関する詳細・参加登録は、公式サイト (https://www.interop.jp/2017/mastodon/) をご確認ください。

 お付き合いありがとうございました。この情報欄の長さが物語っているように、いち編集部員である私も「もはや自分の仕事はイベンターなのか?」と最近思い始めてしまう始末。イベント仕事は大変さもありますが、でも同じ関心を持つ人たちが集まれる機会を作れるというのは、これがなかなか面白い仕事なんです。

 ということで、当編集部がどんなふうにイベント企画や準備をしているか、今日はこの場を借りて、少しご紹介させてもらいます。

2017年5月某日、13時半から登壇者事前打合せ

打合せそっちのけで、Mastodonのソースコードを読み込んでしまう池澤あやか氏を男性陣が囲む会。

 この日は、Interop Tokyo 2017内でのマストドン基調講演(生みの親、オイゲン・ロッコ氏が遠隔登壇)にご登壇いただく、鷲北賢さん(さくらインターネット研究所所長)と、タレントの池澤あやかさんにお集まりいただいた。話題は「マストドンがいかに美しいソースコードで作られているか」という話に。以下、敬称略。

鷲北 僕、実はマストドンのコードは1行も読んでないんですけど(苦笑)、ピクシブの方もドワンゴの方も「コードがめっちゃきれいだ」って褒められてましたよね。

池澤 (コードを初めて読んでみて)あ、きれい。すごいきれいですね。私が書くものより5倍くらいはきれい(笑)。読んでて勉強になる感じ。

遠藤 他人の書いたコードって、そんな熱心に僕は読みたくないけどな(笑)。

池澤 (読みながら)こういう巨大プロジェクトでも、コードのきれいさを維持しているのがすごいなぁ。しかも二重IF文ないし!ネストしない精神すごいなー。

鷲北 そんなことありえるんですか?どうやって書くんだろうって思いますけど……。

遠藤 じゃあ「どうしてそんな美しいコード書けるのー?」って当日オイゲンさんに聞いちゃえばいいんだよ。

池澤 私もネストしてコード書くの止めよう。あと、これ読んでると "="(イコール)の位置揃えようって思いますね。

遠藤 イコールの位置揃えるって、当たり前でんがな!

 ……といった感じで話は尽きない。こういう会話をしながら「オイゲンさんってどんな人なんだろう?」とみんなで考える場だった。

2017年5月某日、17時から謎の工作開始

 事前打合せの取りまとめなどをアタフタと対応していると、突然の来客が。来てくださったのは『テクノ手芸』で有名なよしだともふみさんという方。遠藤さんから「スギモトくんもやり方覚えといてよ」と言われ立ち会ったところ、そこにはよく分からない器具でグッズを量産する工場が出現していた。

編集部へ突然持ち込まれたのは、あまり見慣れない謎の工作器具だった。

遠藤さんが何やら見たことがあるロゴが印刷された用紙を切り抜いている。

細々としたパーツを器具にセットして……。

レバーを押す!

「うまくできあがってるかなー?」

 ……これの一体何がマストドンに関係しているんだという話だが、気になる方は是非『マストドン会議3』または『マストドン会議4』の会場でお確かめを。

2017年6月某日、21時にこの記事を書いている

 記事のオチを決めるのにグルグル迷った挙句、こうしたイベント企画を通じてマストドンを追いかけ続けているなかで、とても "エモい" 気分になった言葉に触れて終わることにすることに。その言葉とは、2017年5月20日に公開された、マストドンの新規ユーザー向け公式サイトのトップに飾られている "Giving social networking back to you" という一言。

 直訳すると「ソーシャルネットワーキングをあなたへ返します」ということ。この言葉は、逆に捉えれば、こんなに生活に密着しているはずのSNSが、今じゃ自分たちのものとは言えなくなりつつあるよね?という意味にも捉えられる。

 この文章を読んでいるあなたにとって、SNSってどういう存在だろうか。僕にとってそれは「心の居場所」のひとつに例えられる。拠り所のひとつとでも言えばよいか。

マストドンを通じて「心の居場所」について考えてみる

 サイトを飾るこの一言に込められた意味は色々あるとは思うが、でも、もし「心の居場所」がSNSの役割のひとつなのだとすると、それを自分たちで/いくつでも/好きなように作り出せるマストドンは、様々な場所に異なるアカウントを作って受発信しつづけている我々にとって、現在の自分たちが置かれている情報環境を考え直してみるのに、とてもよいきっかけを与えてくれていると感じる。

 自分で居場所が作れるなら、さて、そこにはどんな人たちに居てほしくて、どんなことを語らえる場にしたいだろう?なんてことも、マストドンがなければ考えることすらなかったかもしれない。だとすると、いま我々が慣れ親しんでいるSNSって、いったいどんな意味を持つ居場所なのだろうか。どうして些細な書き込みに一喜一憂したり、日記じゃ書けないことまで公開してしまうんだろう。ソーシャルって、いざ考え出すとムズカシイ。

 でも、そういうあれこれについて、実際に顔を合わせて語り合える場を、自分は今、いろいろと準備しているのだと思えば、なんだか頑張ろうとも思えてくるものだ。そういう意味も含め、マストドンには感謝しかないなぁ。

6月のマストドン関連イベント、是非お越しください!

 ということを記事にしようとしていたら、席を立った上司から「なに勝手にポエム書いてんの」とバッサリ斬られてしまった。まあいいか。こんなところで今日の編集部日記を終えたいと思います。各種イベント、皆さまも是非足を運んでみてください。ではまたの機会に。

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