中国の内陸にいる、筆者が昔から知っている中国人の子供(中学生)が日本語で話しかけてきた。
アニメ「銀魂」にハマったことがきっかけで、日本語を勉強しはじめたのだという。
一方で今、中国の小学生の子供の中には「ドラえもんを知らない、見たことがない」という子供も出てきている。
中国の都市部ではスマートフォン普及まで、ゲームといえばPS2やPSPが広く普及していたが、今は誰もがスマートフォンで遊び、かつて遊んでいた日本のゲームには目もくれない。
一方で当連載で過去に紹介した中国発の和風RPG「陰陽師」は、中国人の間で著名な日本の声優をフル出演させたことで、日本のアニメゲームファンの間でブレイクし、さらに日本に関心のない人々にまで人気が拡大した。
中国で人気のこの手のサブカルは、ドラえもんやPSPに依存してきた数年前と異なるようだ。中国のサブカル事情はどうなっているのか、改めて分析してみよう。
サブカル系ショップでは女性に姿が目立つ
中国ではPCショップが集中する場所があり、モバイルショップが集中する場所がある。これと同様に、アニメグッズや家庭用ゲーム機を扱う店が集中する場所が大都市にある。
たとえば、北京であれば「崇文門」の「SOSHOW動慢城」、上海では「老西門」、広州では「公園前」の「動漫星城」などが挙げられる。
そこでは正規版輸入ゲーム、フィギュア、プラモデル、中文サブカル専門雑誌、小説、同人誌、コミック、缶バッチや抱き枕などのファングッズ、コスプレ用衣装などが売られている。女性が全体の半数か、それ以上かと思えるほど女性が多い。
コスプレグッズは数年前にはそれほど売られていなかった。コスプレはかつては自作、もしくは街頭の小さな店に発注するものだったが、最近では当たり前のように商品として買われるようになり、取り扱う店も大幅に増えた。
これは中国の若者の懐事情が数年前の若者と異なりよくなったのが原因で、今のサブカルファンは、当たり前のようにお小遣いでコスプレ用衣装ほか、さまざまなグッズを買う(買える)ようになった。
日本のもので特に売られているのは、「ラブライブ!」のフィギュアなどのグッズ、「初音ミク」のフィギュアやファンブック、それにガンプラだ(もっともガンプラがヘビーな日本サブカルファン向けかというと微妙で一般向けとも)。
ラブライブ!以降のコンテンツはグッズはいろいろあるものの、一部の店で点々と扱っている程度であり、ラブライブ!以降、それ並みにブレイクしたコンテンツはないようだ。

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