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グローバルベンチャー創出を狙う福岡市がスタートアップ支援施設を集約化

校舎から生まれる新しいチャレンジ!FUKUOKA growth next始動

2017年04月13日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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チャレンジのまちでチャレンジするスタートアップたち

 オープニングセレモニーの後半は、オルターブース、リーボ、Qurate、タグフィット、九州大学起業部、tsumugなどFUKUOKA growth nextに入居予定の6社がピッチを実施。事業の説明やFUKUOKA growth nextへの期待をアピールした。

オリジナルソースを作れる「マイソースファクトリー」で地域活性化を推進するオルターブースCEOの小島淳氏

カーシェア/レンタル事業からInstagramの運用ビジネスにピボットしたリーボCEOの松尾龍馬氏

複数のアプリやSNSへのコンテンツ配信を統合的に管理できるQurate CEOのトム・ブルック氏

インバウンドでの多言語対応を促進する一般社団法人タグフィットの後藤 玄利代表理事

学生ベンチャーを育成する「九州大学起業部」の顧問を務める熊野正樹准教授

LTE搭載のシェアリングキーを今夏から本格展開するtsumug代表取締役の牧田恵里氏

ソフトウェアからスタートした福岡市で生まれた「ハコモノ」の意義

 FUKUOKA growth nextに至るまでには、約5年におよぶ下地作りがあった。福岡市は2012年9月に「スタートアップ都市ふくおか」を宣言し、髙島宗一郎市長のリーダーシップの下、政策としてスタートアップ支援を推進してきた。その後、スタートアップイベントの誘致やイノベーションスタジオの開始を経て、2014年5月には「グローバル創業・雇用創出特区」の国家戦略特区に指定されている。

 福岡市が「Startup 1.0」と位置づける第2フェーズにおいては、対象を創業者のみならず、その予備軍や学生、既存企業に拡げるべく、スタートアップカフェやスタートアップ奨学金などの制度を開始。また、グローバル化を見据えたスタートアップビザや国際交流支援のMoUの締結を進めてきた。そして、今回新たなフェーズである「Startup 2.0」としてエコシステムの集中化とそれによる化学反応を目的としたFUKUOKA growth nextの設立に至った。

FUKUOKA growth nextの関係者が一同に介した記念撮影

 官民連携が進む福岡市のスタートアップの熱量は、以前からお伝えしているとおり。データセンターやコワーキングスペースといったハコモノより先に、人材やコミュニティ、支援体制などソフトウェアから始めたからこそ、福岡市は他に先んじたスタートアップ支援体制を実現できたといえる。長年の土作りを経た結果としてようやく生まれたハコモノだけに、福岡市のスタートアップの隆盛がますます高まるのは間違いない。こう考えると、「成長の次」を意味するFUKUOKA growth nextの名前が意味深く思われてくる。

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