お酒が好き、お酒を飲む空間が居心地いい、好きな人たちとお酒を飲むことが息抜き。お酒好きな人にとって、いつまでも気持ちよく飲み続けたいというのは人生のひとつのテーマではないでしょうか。
さて、お酒好きといえばBS-TBSの「酒場放浪記」でもおなじみの酒場詩人・吉田類さん。高知県のアンテナショップ「まるごと高知」で2月に開催した吉田類さんのトークイベントでは、お酒好きが楽しく生きていくヒントがたくさん語られました。ダイジェストをお届けします。
酒好きが共感! 酒場の神、吉田類さんが語ったこと
■酔っ払いが生きていけるのは平和の象徴
――僕は「酒場放浪記」でテレビにも出ているので、街を歩いていると子供らから「あ、酔っ払いのおじさんだ」って声かけられることがあるんですよ(笑)。いいですよね、酔っ払いが生きていけるのは平和の象徴だと思うんですよ。
――もちろん健康面でお酒は良いことばかりとは言えないけれど、お酒を飲むという文化は世界中の多くの国にあることだし、それにまつわる産業もこれだけ大きいので、否定はできませんよね。人間の根本にお酒を飲んで魂を鼓舞し、共同体で仲良く生きていく、というのがあるのでしょう。
■「酒の又三郎」のように
――日本のお酒を応援しています。日本酒だけじゃなくて、焼酎や泡盛なども。僕は土佐の仁淀川の近くで育ちました。夏には釣りや川遊びをしてましたけど、水が驚くほどキレイなんですよ。それくらいキレイな水だと、やっぱりお酒がおいしいんです。豊かな自然でおいしいお酒が造られる。そういう日本のお酒や、日本の自然を残していきたい。そう思って活動をしています。
――お酒を求めてあちこちの地方に行くので、一ヵ所にとどまっていることはほとんどないです。芭蕉の「おくのほそ道」だと数十日間かけてようやく江戸から東北を回ったとありますけど、今は交通が発達しているからその時代と比べると天文学的な距離を移動していることになりますね(笑)。宮沢賢治の「風の又三郎」は地球上をずっとまわっている風の精ですけど、僕は“酒の又三郎”なんじゃないかなって思っているんですよ。
■おいしくお酒を飲むためには健康が大事
――体力を維持するのは大変。体重も、自分の中でベストの体重は72、3kgですけど、ちょっと油断すると80kgを超えちゃうんですよ。僕は山登りをずっとやっています。北アルプスから北海道の利尻山まで、日本列島のさまざまな山に挑戦しています。体重が増えると余分な荷物を背負っているのと同じになるので、それで山を登れなくなるのが一番怖いです。
――登山はひとつの健康法でもありますね。健康法と言いますか、お酒をおいしく飲むにはそうやって体を動かしてないと、だめなんですよね。お酒を飲んで、カロリーを溜めこんだまま、というのが良くない状態なんですよ。
――自分の好きなことしかやらないです。お酒は飲みたいから飲みますし、詩が好きだから詩を書く。そういうのをずっと通してきたので、いまさらそれを変えられない。ストレスを溜めない生き方というのが大切ではないでしょうか。
吉田類さんにいわく「高知は端麗辛口のはしりのように言われていましたが、今はいろいろな日本酒がある。フルーティーで飲みやすいもの、コクがあって味わい深いものなどもありますし、高知のお酒は飽きない」ということ。その中でも、イベントの最中に吉田類さんが飲まれていたのは「桂月」という銘柄でした。
約110年の歴史を持つ土佐酒造が醸す日本酒で、地元でずっと飲まれていたという「桂月」。記者も飲んでみましたが、まろやかな飲み口ですがユニークなコクがあります。最近はよくフルーティーな日本酒に注目が集まりがちですが、それとは方向性が違う味わい。日本酒が得意でない人にとっては、飲みやすいものではないかもしれません。ですが、その味こそ吉田類さんや土佐の地元の方が昔から親しんで飲んでいたものだと思うと、酒好きにとってはぐっときます。私も、とても好きになりました。
他の高知の日本酒も飲んでいくと、吉田類さんが言ったとおり香りが華やかな「亀泉」、口当たりが柔らかい「船中八策」など、それぞれ個性がありいろいろなタイプの日本酒が揃っています。
四国の中でも酒飲みの文化が強い高知はお酒好きな人にとって魅惑的。2017年、2018年にかけて「志国高知 幕末維新博」という取り組みも行なっているので、訪れるなら見どころもたくさんです。
また吉田類さんファンの人は、吉田さん初となる主演映画『吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」』にも注目! 2017年6月10日にKADOKAWAシネマ新宿ほか全国で公開予定。観たらその日のうちに酒場に足を運びたくなるんだろうなあ。
ナベコ
寅年生まれ、腹ぺこ肉食女子。特技は酒癖が悪いことで、のび太君同様どこでも寝られる。30歳になったので写経をしてみて心安らかになりたい。Facebookやってます!
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