低域ガンガンの曲の再生はまったく不向き
もうクラシック感は否めないが、筆者愛用の「COLORFLY」とAKGの「K3003」のペア
サウンドイヤーカフは従来の多くのメーカーが目指してきたマルチドライバー、ハイ・フィデリティー、ハイプライスなハイレゾ音源にマッチした高級イヤフォンではないらしい。
購入前から、あちこちの試聴レポートを読んではいたが、実際に自分の耳で聴いてみると、その新しいスタイルへのこだわりが半端ではないことがよくわかった。
普段筆者が聴いているCDを8枚ほど選んで、代表的な曲をAndroidとiPhoneでもう一度リッピングして聴いてみた。
実際に聴いて驚いたのは、あまりにも割り切った低域のなさだった。すでに他の人の視聴レポートにもあったのだが、まだかすかに期待を持っていたところ、それは見事に裏切られる結果となった。
感覚的には、ウーファーの結線が外れて音のしない3ウェイスピーカーを遠くから聴いているような感じだ。時にベースの音は、ダンボールをドラムスティックで叩いているような奇妙な音にも聴こえた。
低域が聴こえにくい時の基本的な対応策は音楽全体のボリュームをアップすることだが、実際にやってみると確かに低域の量感は比例的に増すが、周囲にはバンバンと音漏れがしてしまう。これでは出来のよくない骨伝導イヤフォンや、オープンエア型のヘッドフォンと同じだ。
気を取り直して、低域成分の少ないカフェミュージック的ないくつかの音源を先ほどと同じくAndroidとiPhoneの2つで聴いてみた。ソース内に初めからそれほど低域成分が入っていないので、先程ほどの違和感はない。
やはりサウンドイヤーカフは、ジムなどでトレーニングしながらや屋外をジョギングしながら環境音楽として気にならない程度の音圧でずっと聴こえていればいいという、環境ミュージックやBGM的に利用するのが前提のようだ。
ただし、どんな音楽ソースを聴いても全体的な音のイメージは、ドンシャリ系の“ドン”のない“シャリ”系の音の連続だ。
実際に、カフェの天井のどこかで鳴っている名前も知らないセンス良さげな音楽を好むユーザー層にはぴったりかもしれない。
サウンドイヤーカフは目立つ外観やカラーゆえ、“ドヤ・イヤフォン”の最右翼としてドヤ家電の仲間入りはできそうだ。
残念ながら、サウンドイヤーカフは、ブラスロックやハードロック、ジャズ系の音楽を没入型で聴く筆者には“猫に小判”“豚に真珠”の状況だ。
交響曲やオペラなどもかなり厳しい評価になるだろう。やはり商品紹介にあるように、サウンドイヤーカフはイージーリスニング系の“爽やかミュージックを聞き流す”感じで聴くイヤフォンだろう。
実際に、商品が届いてから寝る時間以外はずっとサウンドイヤーカフを取り付けたiPod Shuffleを家の中でも外出中も肌身離さず付けて生活してみた。
約2日間、自宅にいても宅配便のインターフォンの音は確実に聞こえるし、カウンター式の騒がしい中華料理店でも音楽を聴きながらメニューを見て注文、質疑応答できる。コンビニのレジでの会話も問題なく可能だった。

この連載の記事
-
第854回
トピックス
それでも現金を持たざるを得ない現況で、ジッパー付きセキュリティポーチ靴下を衝動買い -
第853回
トピックス
3COINSのクリアワイヤレスキーボードが1000円に値下がりしたのでまた衝動買い -
第852回
トピックス
価格は優秀、剃りは凡庸 USB充電可なシャオミ製電動シェーバーを衝動買い -
第851回
トピックス
出張も旅行もこれ一台! 「クリップ型USB Type-C充電器+タップ」を衝動買い -
第850回
トピックス
年初にAndroid搭載のカラーE Ink端末「Bigme B751c」を衝動買いして9ヵ月使ってみた -
第849回
トピックス
理論派が作った“変態ピック”を半世紀ベーシストが衝動買い -
第848回
トピックス
“ケーブル紛失ゼロ”の未来系SSDケースを衝動買い -
第847回
トピックス
北欧製の密閉縦型製氷皿“アイスブレーカー”を衝動買い -
第846回
トピックス
今も愛用のThink手帳に迫るブギーボード「BB-21」を衝動買い -
第845回
トピックス
レガシーなタフスマホ「TORQUE G04」を5980円で衝動買い -
第844回
トピックス
EVERINGを衝動買い更新! NEON BUZZで“指先決済”を3年延長 - この連載の一覧へ











