東北大学は、磁性状態のオン/オフが可能な新たな電磁石の開発に成功したと発表した。
金属材料研究所の谷口耕治 准教授、宮坂等 教授らの研究グループによるもの。「有機物骨格体」と呼ばれる多孔性の分子層状化合物をリチウムイオン電池の正極材に用い、二次電池の充放電特性を利用。可逆的にイオンと電子が正極材に脱挿入(充放電操作)され、正極材の磁石としての性質(フェリ磁性状態)を充放電操作に連動してスイッチングできることを発見した。
またこのイオン制御型電磁石は、フェリ磁性状態に一度スイッチすると、通電し続けなくても磁石としての性質を維持する特性があるという。通常の電磁石は通電している間だけ磁石となるため、従来よりも消費電力を抑えることが可能という。