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市街地浸水シミュレーションを高精緻化

富士通、東北大学と共同で高精度三次元津波シミュレーションを開発

2014年04月14日 15時20分更新

文● 行正和義

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(a) 波源から沿岸部までの広域における津波の波高・流速を再現/(b) 沿岸部に流入する津波の三次元的な挙動を再現

 富士通は東北大学と共同で、津波による浸水や河川の遡上を高い精度で計算できる三次元津波シミュレーションを開発した。

 これまで津波のシミュレーションは世界中で行われてきたが、建物におよぼす津波の力や、建物や堤防、地形などの三次元的な形状が津波の進行にどう影響をおよぼすかといった計算は膨大なCPUパワーを必要とするためほとんど行われておらず、津波のシミュレーションを三次元流体シミュレーション技術だけで行うと、1万ノードのスーパーコンピュータシステムを用いても200年以上という時間がかかるという。

粒子法を用いた津波シミュレーションのイメージ

 富士通は、粒子法をベースとするシミュレーション手法をスーパーコンピュータのアプリケーションのひとつとして開発を進めており、この技術を応用して東北大学大学院工学研究科附属災害制御研究センター長の今村文彦教授が開発した津波伝播の二次元シミュレーション技術を連携・融合することによって津波シミュレーターの開発が行われた。

 新津波シミュレーターは比較的計算量の少ない二次元シミュレーション技術で波源から沿岸部に至る広域での津波を再現し、沿岸部や市街地などの砕波や越流などの現象が生じる領域内でのみ三次元流体シミュレーション技術を使い、三次元での津波の動きを、実用化可能な時間内で再現するという。1万ノードのスーパーコンピュータシステムによる160時間程度の計算で、港や湾1つ分に相当する約10km四方の領域内の津波の動きを、0.5m径程度の解像度で再現できるため、沿岸の防波構造物による津波対策の効果予測などにより減災対策を支援するソリューションとしての実用化可能という。

 今後は、巨大地震とそれに伴う津波の複合災害の被害予測への応用に向け、今回開発した技術を文部科学省が推進するHPCI戦略プログラムの課題テーマ「津波の予測精度の高度化に関する研究」の中で活用、減災計画の立案へとつなげていくことを目指す。

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