アップルウォッチに限らず、スマートウォッチのバッテリー駆動時間は長くて2日、短いと機種によっては24時間以内っていうのも当たり前だ。
このため、文字盤着せ替え腕時計として使いたい腕時計ユーザーはスマートウォッチを敬遠する最大の理由となっている。
バッテリー駆動時間の短さには目をつぶって、単なる“アラートのためのコンシェルジュデバイス”だと割り切って買ったICT系ユーザーも、実は口には出さないが、困っているか諦めているのだ。
ユーザーが個人的にできる対応策はいくつかある。1つは、宿泊出張などの複数日にまたがる移動時にはスマートウォッチを持っていかない。
もう1つは、どうせパソコンやモバイルバッテリーは持って行くのだから、ついでにスマートウォッチ専用の充電ケーブルも一緒に持って行く。
“持っていかない派”は気分的にはスッキリしているが、“持っていく派”の心配は、出先でスマートウォッチ専用の充電ケーブルを紛失しないかということ。
ドッキング部分の形状は100%特殊で値段が高く、出張用にもう一本買うという気迫に欠けること。そして失くしたからと言って、日本中どこでもすぐ入手できる製品ではないからだ。
初期のスマートウォッチが発売されてから軽く10年以上は経っているのに、いまだにスマートウォッチはそんな不便な世界にいる。今年の年末近くになって、なんとやっとアップルウォッチだけには、専用ケーブルなしでも充電可能なモバイルバッテリーが発表、出荷された。
供給会社はモバイルバッテリーをはじめとするスマホ周辺機器提供会社の一つである、米国のベルキンだ。もちろん筆者は、使える使えないを判断するずっと前の発表日に衝動予約買いをした。
アップルウォッチ用モバイルバッテリー
「バレーチャージャー」
ベルキンらしいスマートなパッケージで届いた「バレーチャージャー」は、長さが12cmほどで大人の男性が軽く握れる小さなようかん状のサイズだ。
本体であるバレーチャージャーにはアップルウォッチ専用のマグネット吸着式充電モジュールが付属している。
まずは付属のmicroUSB充電ケーブルを使用して、バレーチャージャーに充電する。バッテリー容量は6700mAhだ。
それほどたくさんいるとは思えないが、アップルウォッチを使用しているAndroidスマホユーザーは、付属のmicroUSB充電ケーブルでスマホへの給電もできるが、iPhoneユーザーはLightningケーブルを別途用意する必要がある。
パッケージにあるように、6700mAhのバッテリー容量ならアップルウォッチを8回充電できるらしいが、アップルウォッチへの充電だけのために、重さ180g近いバッテリーを持ち歩くということもあまり考えにくい。
バレーチャージャーは、市販の2.4AのUSB/ACアダプターを使用することで比較的短時間で満充電可能だが、出力はアップルウォッチ側もUSBポート側も標準の5V、1.0Aが規定値となっている。
そのため、iPhoneには普通に充電可能だが、推奨外の大容量iPad系では当然ながら効率が悪い。
実際に筆者が試してみたところ、iPhone 7 Plusでは、20%の残量が100%になるまで充電してもバレーチャージャーにはまだ25%ほどの残量電池があった。
一方、推奨外のiPad Proでは25%の残量から65%のバッテリー残量になるまでに全部を使い切ってしまった。

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