クラウドサービスではなくNASを選ぶわけ
これまで文書や画像といったファイルは、作業しているパソコン内のストレージに保存してきた。しかし、最近はクラウドのストレージサービスを利用するケースが増えてきている。クラウド上にファイルがあれば、いつでもどこからでもアクセスできて、閲覧や編集が手軽にできるとともに、バックアップ先としての意味合いもある。
ただ、クラウドのストレージサービスを無料で使っていると、容量が少ないため、画像や動画といったファイルはなかなか扱いにくい。もちろんお金を払えば1TB程度は利用できるが、それだけの容量をアップロードやダウンロードするとなると、かなりの時間がかかり、使い勝手はいまいちだ。
そこでNAS(Network Attached Strage)の活用である。容量はパソコンで使っているストレージサイズと同等以上が利用でき、同一のLAN内からアクセスするぶんには高速なので、ファイルの移動もラク。しかも、外部からもアクセスできるので、クラウドストレージサービスのように、いつでもどこからでも閲覧・編集が可能だ。しかもLANに接続して簡単な設定をするだけでOKなので、サーバーを構築すると言った手間も難しさもないという、いいとこ取りのようなシステムなのである。
今回紹介したいのがSynologyのNAS「Synology DiskStation DS216j」だ。Synologyは2000年に台湾で設立し、NASを中心に発展してきた企業で、AmazonのNAS販売ランキングで1位を取るなど、世界的にも人気が高い。
NASにはHDDが装着されてセットアップが済んでいるタイプと、HDDが別売りのNASキットと呼ばれるタイプの2種類がある。前者は国内製が多く、自分でHDDを選べないため自由度も拡張性も低い。一方NASキットだと、好きなHDDを選べ、極端な話、いらなくなったHDDを集めてNASを組むことも可能。しかも、使いながら容量をアップするといった利用方法もできる。機能も豊富で将来性を考えるなら後者のほうがメリットは高い。DS216jももちろんNASキットだ。