クラウドの力を見せつけたAWS re:Invent 2016 第4回
VMware Cloud On AWSのクラウド移行に備える?
エクサバイトをAWSへ!写真で見る「AWS Snowmobile」
2016年12月05日 07時00分更新
先週行なわれた「AWS re:Invent 2016」では、データセンターの大容量データをアプライアンスでAWSに運搬する「AWS Snowball」の新モデルが登場! さらにエクサバイト規模のデータ移行を可能にするコンテナ型の「AWS Snowmobile」がトラックで登場し、基調講演会場の観衆の度肝を抜いた。
Snowballの発表から在庫の10倍の発注
昨年のre:Inventで目玉の新発表だった「AWS Snowball」は、大容量データのクラウドへのマイグレーションという課題に対して正面から向き合って生まれたサービスだ。
データセンターのシステムをクラウドに移行するには、どうしてもデータが大きな足かせとなる。あまり容量が大きくなければ、ネットワーク転送でも問題ないが、テラバイトの規模だと時間とコストがかかりすぎて、事実上難しい。エクサバイトであれば、なおさら。「エクサバイトになると、10Gbpsの専用線を使っても、転送に26年かかってしまう」と基調講演で登壇したCEOのアンディ・ジャシー氏は語る。
これに対して、AWS Snowballは耐久性に優れたストレージボックスをユーザーのデータセンターに送り、データをコピーしたら、AWSにまで運搬するというサービスだ。セキュリティに考慮し、ユーザーデータはアプライアンスにコピーすると自動的に暗号化されるとともに、Amazonでの買い物と同じく、トラッキングも可能になっている。
ユニークなAWS Snowballだが、ジャシー氏は、「発表から1週間で在庫の十倍の発注を受けた。かなりのエンタープライズ企業がデータをSnowballで移行した。Snowballと自撮りするユーザーも数多くいた」と市場に受け入れられたことをアピール。残念ながら日本にはまだ上陸していないが、米国でのニーズはとても高かったわけだ。
コンピュート機能を追加した「AWS Snowball Edge」
ユーザーのフィードバックを受けて、今回発表された「AWS Snowball Edge」はAWS Snowballの倍の容量となる100TBに対応し、ネットワークの伝送速度も4倍高速になった。Wi-FiやLTE/3Gネットワークも追加され、Amazon S3のエンドポイントとなるNFSインターフェイスも新たに備える。さらにラックマウントが可能になったほか、複数台でのクラスタリングにも対応。データセンターに格納し、ストレージプールとして利用できる。
従来のAWS Snowballは純粋にストレージとしての機能しかなかったが、AWS Snowball Edgeはコンピューティング能力を持つ。格納されたデータに対して、一定の処理を行なえるわけだ。具体的にはEC2のm4.4xlargeインスタンス相当の能力と、IoT向けサービスとして発表されたAWS Greengrassを搭載。AWS Lambdaを使って、センサーデータの収集や分析、マルチメディアデータのコード変換、画像圧縮などのデータ処理を行なえる。
ジャシー氏は「オレゴン州はさまざまな海洋研究所があるが、今までは海上で集めたデータをテープにロードし、それを陸上に戻ってコピーするという作業を行なっていた。だが、Amazon Snowball Edgeであれば、海上から陸上まで移動する間に集めたデータのアナリスティックを行なえる」と利用イメージを語った。
Edgeという名前の通り、単なるデータ運搬用マシンという位置づけのみならず、クラウドの手前で事前処理をかけるようなコンピュータと考えると面白い。
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