人工知能を模型で理解して、プログラミングは「あの」方法で学ぶ
中学生でもわかる「子どものための人工知能プログラミング ワークショップ」が凄かった
2016年11月14日 17時00分更新
人工知能がもたらす世界は人間にとってバラ色の世界とは?
ワークショップの締めとして、清水氏は、メモ用紙を使って情報を整理し、問題を解く人工知能や1枚の深度情報だけから物体の全体像を想像し、一番いいアングルから見た映像を見せてくれる人工知能や、「蒸留」といわれる、訓練済み人工知能の学習結果をそのまま正解として学習させることで、よりシンプルでマシンパワーを使わない人工知能でも同じような成果が得られるといった、人工知能界の最新の話題を紹介した。
参加者の中高生たちには少し難しかったかもしれないが、ディープラーニングのためのマシン構成や、ディープラーニングをめぐる法整備の重要性や現状についても触れた。
近い将来やってくる、人工知能が普及した時代については、独自の見解を語った。人工知能の発展により、人間の仕事が失われてしまうことを危惧する向きもあるが、そうではないという。
人工知能が普及すれば、人間ができればやりたくない仕事(いわゆる3Kに属する仕事など)を代わりにやってくれるようになり、逆に、できればやりたい仕事(アイドルのプロデューサーを例に出していた)を人工知能が手伝ってくれるようになるので、みんなが好きなことをやって過ごせる夢のような時代になると力説する。
好きなことを貫いている人は、すでにYouTubeやニコニコ動画などに出現しており、日本人は特に好きなことをトコトン追求することが得意で、それが日本の良さでもある。
最後に清水氏は、シン・ゴジラの名台詞「私は好きにした 君らも好きにしろ」を引用して、本ワークショップを締めくくった。
[番外編]TITAN Xを搭載したディープラーニング用ワークステーション「DEEPstation DK-1000」とはどんなマシンか?
ワークショップが行われた部屋の隣の部屋では、UEIがサードウェーブデジノスと共同開発したディープラーニング用ワークステーション「DEEPstation DK-1000」の実機デモが行われていた。DEEPstation DK-1000は、2016年1月に販売が開始された「DEEPstation DK-1」の後継となる新モデルであり、GPUとして最新のPascal世代のTITAN Xを搭載し、高い演算性能を誇る。GPU以外についても、ディープラーニングのために厳選された高性能なパーツが採用されており、高性能かつ高信頼性を実現している。
DEEPstation DK-1000シリーズは、筐体や搭載CPUなどによっていくつかのモデルが用意されているが、今回は、ミドルタワー筐体のDEEPstaton DK-1000 Personal Editionによる、ディープラーニング環境「CSLAIER」の動作デモが行われていた。CSLAIERは、ソニーCSLが開発したもので、webブラウザからディープラーニングの学習用データセットの構築や管理、実際の学習、各GPUの温度や消費電力などの確認などが行える。
また、UEIが開発した自律ロボットのデモも行われていた。このロボットには、NVIDIAの「Jetson TX1」が搭載されており、あらかじめペットボトルなどの対象物を認識するための学習を行わせておき、カメラ映像からリアルタイムに対象物を認識して、その対象物を追尾するように動くというものだ。Jetson TX1の演算性能がそれほど高くないため、3つのコアでそれぞれ2つずつの領域、合計6つの領域に分割して並行処理するという工夫をしているという。
編集部より: 取材先より記事内容に指摘を受けたため、より正確な内容に改めました。(2016年11月14日)
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よくわかる人工知能 最先端の人だけが知っているディープラーニングのひみつ |