夢がイメージを上回る形で叶う
―― それがシグネチャーモデルにつながった?
伊集院 まあ、そこからトントン拍子には進まなかったんですが、2005年に、僕が作っていたKz Juniorというモデルをたたき台にして、ミドルレンジのシグネチャーモデルを作ろうと。ブライアン・メイ・ギターズの社長も来るというので、オーストラリアのグレッグ・フライヤーのところへ行き、一緒に開発することになったんですね。
―― ブライアン・メイ・ギターズはどんな会社ですか?
伊集院 ブランドです。ピート・マランドロンというブライアンのギターテックと、House Musicというロンドンの大きい楽器屋さんの社長が2人で立ち上げた会社。もちろんボスはブライアン・メイなんですけど、おそらく長年の付き合いから、2人にブランドの管理を任せているんでしょう。
―― シグネチャーモデルは評価も高かったようですが。
伊集院 2001年、25歳のときにレッド・スペシャルのために工房を立ち上げたんですが、そのときの夢がイメージを上回る形で叶ってしまった。だから最後の1本を作りきって、もうレッド・スペシャルに関しては満足しちゃったんですね。じゃあ、その後どうするのかということで、いろいろ考えたんですが。
―― それがオリジナルの「Kz One Standard」につながるわけですね。
伊集院 そうです。さっきの話とはまた違うことを言いますが、レッド・スペシャルはいい楽器ですけど、ギターとしては良くない部分もある。僕がいま興味があるのは、自分が一番いいと思っている、最高のギターを世の中に広めること。その第一弾ということです。
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そのレッド・スペシャルの進化系とも言えるKz One Standardは、どういうギターなのか。次回は、このオールハンドメイドの国産オリジナルギターについて迫ります。
ケイズギターワークス(Kz Guitar Works)は、11月4~6日に開催される「2016 楽器フェア」に出展します。ブース番号は「Tg-01」。市販品は東京都渋谷区のギターショップ フーチーズ、池辺楽器店 渋谷グランディ&ジャングル、島村楽器 ミーナ町田店、島村楽器 八王子店でも取扱い中。Kz One Standardの実物が見られるチャンス!
著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)
1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ

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