コントローラーからの熱は
メタル筐体全体で放熱
4ヵ所のいじり止めタイプの六角星型(トルクス)ネジを外して分解すると、Phison製コントローラーの「PS3110-S10」とDRAMキャッシュ、Kingston刻印が入ったNANDフラッシュが見てとれ、コントローラー部には熱伝導シートが貼られており、メタル筐体全体で熱が放熱される形になっている。
ビジネス向けをうたうだけに、NANDフラッシュメモリーに熱対策が施されていないのは残念だが、この点はパフォーマンス計測時にチェックすることにしよう。
KingstonはNANDやメモリーチップ自体の生産は行なっていないが、NANDチップ上の刻印は自社型番で、「FD16B08UCT1-DC」になっていた。
データシートがないため詳細は不明だが、15nm MLC NANDフラッシュメモリーなのは、Kingstonに問い合わせて確認しているので安心してほしい。
MLC&「PS3110-S10」を採用した「KC400」の実力をチェック
ここからは「KC400」のパフォーマンスをチェックしていこう。実行したベンチマークソフトは「AS SSD Benchmark 1.9.5986.35387」、「ATTO Disk Benchmark 3.05」、「CrystalDiskMark 5.1.2」、「HD Tune Pro 5.60」の4種類(実行順)。
計測は別に用意したSSDからOSを起動し、「SKC400S37/256G」にはデータがなにも書き込まれていない状態で実施している。なお、テストに使ったPC構成は以下の通りだ。
テスト環境 | |
---|---|
CPU | Intel「Core i7-6700K」 (4GHz/TB時4.2GHz、4コア/8スレッド) |
マザーボード | ASUS「Z170M-PLUS」 (Intel Z170 Express) |
メモリー | G.Skill「F4-3000C15Q-32GRK」 (PC4-24000、8GB×2) |
SSD | Samsung「SSD 950 PRO」(M.2 512GB) Kingston「SKC400S37/256G」(SATA3、256GB) |
電源ユニット | Seasonic「SS-750KM」 (750W/80PLUS GOLD) |
OS | Windows 10 PRO(64ビット) |
圧縮率に関係なく安定したリード・ライト性能を発揮
まずは「AS SSD Benchmark」で、「SKC400S37/256G」の基本性能と圧縮率の影響をチェックしていこう。
シーケンシャルはリード・ライトともに500MB/secを超え、ランダム「4K-64Thrd」もリード388MB/sec(9万9435IOPS)、ライト330MB/sec(8万4568IOPS)の良好なアクセス性能を発揮している。総合スコアはメインストリーム向けSSDに多い1100スコア台を超える、1240スコアを出している。
「Copy-benchmark」の結果も良好で、「Program」が300MB/sec、「Game」が374MB/secだ。
また、圧縮率の影響を確認できる「Compression-Benchmark」でも、リード・ライトともに、ほぼ500MB/sec台を維持する非常に安定したグラフになっており、「KC400」は圧縮率の影響は受けないことがわかる。
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