超実用レベルだった件
トラブルもなく油没が完了したので、次は実用性をチェックしてみよう。気になるのはベンチマークスコアの変化ではなく、温度だ。
常用するにしても、数時間の運用前提にしてもSoCの温度がどこまで上昇するのかが問題になる。仮に、未改造時のように低~中負荷の場合は65度前後で温度の上昇が止まるのであれば、季節は選ぶが常用としてギリギリ使用できるし、またロマン値はやたらと高い。
そんなことを考えつつ、YouTubeの動画を1時間再生してみたところ、CPU温度は41度前後をキープしていた。アイドルが35度前後であったことからすると、良好な成績だ。軽い負荷で50度を超えるだろうと考えていたため、意外な結果でもある。
そこで、予定にはなかったが、OCCT 4.4.2を30分実行することにした。これで70度付近まで上昇するのであれば、それなりの負荷で長く使用できるという判断になるハズだったのだが、以下のグラフを見てもわかるように、50度前後をキープして、30分の負荷テストをあっさりとクリアしてしまった。
ではより継続的な負荷はどうだろうと「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルドベンチマーク」のループ再生を2時間実行した場合も、やはり52~54度をうろうろする結果になった。
一度、電源を落としてオイルを冷やしてから起動させてみたところ、Windows Modules Installer WorkerがCPU使用率32~35%で居座っていた。
その状態で1時間ほど本原稿を進めてみたり、ウェブブラウズなどをしてみたが、この場合は緩やかに温度が上昇して、44~46度に。その後はCPU使用率10~35%の範囲で3時間経過時点で48~49度になった。
以上のことから、通常運用でよくある負荷であれば、常用は現実的なラインといえる。徐々に温度は上昇していくのだが、OCCTの結果からすると52度付近で温度上昇はごく緩やかになるため、普段使いの範囲であれば、十分に冷えた状態で運用できると判断していいだろう。
ベンチマークスコアも見ておこう。未改造とも空冷とも異なる動きをしており、いまいち制御状況が読めないが、CPU温度のわりに未改造に近い挙動が多くあった。それもあり、ベンチマークスコアとしては、未改造と空冷の中間のスコアになっている。
思いっきり低温にするとまた変化がありそうなのだが、それは今後チェックするとして「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルドベンチマーク」「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」の結果を見てみよう。
手間はあるがCompute Stick STK2M364CCは輝く
デフォルトよりも効果的な冷却とパフォーマンスのキープ、そしてビジュアル強化の3つがそろっており、下手に空冷でどうこうするくらいならば、いっそのこと、油没にトライしてもいいレベルの結果になった。正直、意外である。
容器については、100円ショップでの入手もアリだが、ホームセンターなどで処理がしやすいものを選ぶのもいい。とりあえず、口は大きなもののほうが配線作業は楽になるため、1L容器にこだわらず、1.5Lや2L容器にも目を向けてみるといいだろう。
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