「Zwift」なら天候に関係なくサイクリングできる!
夏の暑さがようやく和らいだと思ったら、相次ぐ台風や秋の長雨ですっきりしない天気が続く毎日。自転車乗りにとっては、走りたいのに走れない状態の連続で、なんとも憂鬱な季節だ。雨の谷間を狙って走りに出るとしても、雨上がりの濡れた路面は想像以上に危険。天候や路面のコンディションが悪く安全を確保できないと判断したときは、思い切って屋外を走るのを諦めるのも大切だ。
とはいえ、あまりにも走れない日が続くとストレスが溜まるだけでなく、“走る”感覚も鈍ってしまいがち。そこでお勧めしたいのが、最近ロードバイク愛好家の間で注目を集めているPC向けオンラインコミュニティ「Zwift」(ズイフト)だ。連載2回目となる今回は、関係者のインタビューを通して「Zwift」とその推奨PCであるデルのゲーミングノート「ALIENWARE 15」の組み合わせがもたらす体感型サイクリングゲームの魅力を紹介していこう。
自宅にいながら世界のプロ選手と一緒に走れる!
「Zwift」は、屋内トレーニング用機器(インドアトレーナー)を取り付けたロードバイクの実車をこぐことで、パソコンの画面上に広がる仮想空間をサイクリングできるオンラインコミュニティだ。単に画面に表示されるリアルな風景を眺めて楽しむだけでなく、オンラインで世界中のユーザーとスピードを競い合ったり、ポタリングしたりできるのが大きな特徴になっている。
無料のベータサービス期間を経て、昨年秋に有料の正式サービスが開始されるともに、同時にいくつかの新機能が追加され、ロードバイク愛好家にとってより魅力的なサービスへと進化した。今回はその日本でのプロモーションを担当するZwift Japanのオフィスに伺い、宮原 海さん、佐藤慎也さん、相沢幸広さんに「Zwift」の新しい機能や楽しみ方について話を聞いた。
楽しさや目標を共有できる仲間と走れる「グループライド」が追加
宮原さんによれば、正式サービスの開始にともなって新しく追加された機能のひとつに「グループライド」があるとのこと。これは、文字通り集団で同じコースをライド(走行)できる機能。屋内でサイクリングする場合、ひとりで黙々と自転車をこいでいても飽きてしまいがちで、モチベーションもなかなか上がらない。しかし、一緒に走って楽しさや目標を共有できる仲間がいるとなれば話は違ってくる。そこで「もっと速くなりたい」「世界のトップ選手と一緒に走りたい」など、同じ目的を持つ仲間たちがコミュニケーションをとりながらグループで走れるようにしたのがこの機能だ。
現在「Zwift」は、国内でも定期的にグループライドのオフィシャル・イベントを開催しており、そのライドリーダーを担当している佐藤さんによると「イベントは週2~3回くらいの頻度で開催しています。多くの場合、ユーザーの方が仕事から帰宅して一息ついた夜9時頃に始めており、1回のライドで40~70人ほど集まります」とのこと。
イベントの告知はFacebookなどで行なわれ、参加するには事前エントリーが必要。エントリーしていなくてもグループについて走ることは可能だが、その場合はリーダーが参加者向けに送るテキストメッセージを見ることができないなど、一定の制限がある。
ちなみに、2~3ヵ月に1度くらいの頻度で「Zwift」のアンバサダーを務めているプロサイクリストの別府史之選手と一緒に走れるイベントも開催されている。自宅にいながらにして世界の一流選手と気軽にグループライドできるのも、オンラインに対応した「Zwift」ならではの魅力だ。
ユーザー同士による小規模なグループライドも盛ん
こうした「イベント」として開催される大規模なグループライドとは別に、ユーザー同士が数人で集まって行なう小規模なグループライドもある。たとえば個人がFacebookで「この週末雨っぽいんで『Zwift』で走ろうと思うんですが、みんな一緒に走りませんか?」と呼びかけ、それに応じた人たちと一緒にライドするというケースだ。
宮原さんによると、昨年冬はブルベ(指定コースを制限時間内に完走することを目的とした長距離サイクリング)の愛好家によるグループライドが盛り上がったそうで「冬の間、屋外でのライドができない北海道にお住いの方などが参加され、300kmとか600kmとかいう距離を数日間かけて完走されました。なかには13時間近く自転車に乗っていた方もいらっしゃいましたよ」というから驚きだ。
いつでも誰かと一緒に走れる「Zwift」
「Zwift」をプレーしていると、2種類の異なるアバターがあることに気付く。ひとつは身体がカラーで表示される通常のアバターで、もうひとつがブルーの透き通った身体で表示されるアバターだ。
実は、ブルーのほうはログインしているユーザーが少ないときに自動的に現れるもので「ゴースト」と呼ばれる。実体がないためコミュニケーションを交わすことなどはできないが、通常のアバターと同様に後ろについて走ればドラフティング(前走者を風よけ代わりにして空気抵抗を減らすこと)効果なども得られる。
また、ゴーストごとに自転車スキルや自転車をこぐペースが異なるなど、細かい部分まで作り込まれているので、ログインユーザーが少ない時間帯でも常に“誰かと一緒に走る”感じを味わうことが可能だ。