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業界人の《ことば》から 第204回

SIerから異業種のつなぎ役へ、日本ユニシスの大きな転換

2016年07月12日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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今回のことば

 「システムをお守りするシステムインテグレータではなく、社会課題を解決するエコシステムを提供する会社になりたい」(日本ユニシスの平岡昭良社長)

新社長は会社の部内を渡り歩いた人物

 日本ユニシスの社長に、4月1日付けで平岡昭良氏が就任した。1956年、石川県出身。「北陸新幹線ができて地元に帰るのは便利になったが、地元の名産であるノドグロの値段が高くなった」と笑う。

 1980年に早稲田大学卒業後、日本ユニバック(現日本ユニシス)に入社。1年半はSEだったがその後営業部門に異動し、様々な業種、業界での営業を経験。2002年にはビジネスアグリゲーション事業部長に就任し、新規ビジネスの創出に携わった。さらに2005年からは3年間に渡りCIOに就任。その後、事業部門責任者として最前線の営業、SEの陣頭指揮を執った。2012年からはCMOとして同社のマーケティング機能の強化に尽力。2016年4月に社長に就任した。

 日本ユニシスのあらゆる部門を経験しての社長就任。「ロボットが好きで、社員と一緒にロボットを作ることもある」と話す。

会社としてお茶目な一面も

異業種をつないで社会問題を解決していく

 中期ビジョンで掲げたのは「ビジネスをつなぎ、サービスを動かす。ICTを刺激し、未来をつくり出そう」。平岡社長は「この考え方のベースはビジネスアグリゲーション事業部長時代に得た、ビジネスを集めることで新たなサービスが創出できるという経験。だが、当時は時代が早すぎて総論はいいが、各論では課題があるという声が多かった。それがいまでは技術進化やインターネットおよびクラウドの広がりによって、ビジネスをつないで未来の当たり前のサービスを創出できる時代がやってきた。これからの社会課題はひとつの企業では解決ができない。異業種の企業同士がつながることで社会問題を解決していく。日本ユニシスは、それを推進する役割を担う」と語る。

 コーポレートステートメントは「Foresight in sight」とし、Foresightによる「先見性」とともに、in sightには「見える化」と同時に、Insightによる「洞察力」の2つの意味を持たせ、「先見性でいち早くキャッチしたお客様や社会の課題を、経験や常識にとらわれない洞察力で深く理解し、知恵や発想、ICTを組み合わせて、お客様に最もふさわしい形のソリューションやサービス、そして業界を越えたビジネスエコシステムをつくり出そう」とした。

 ここでもエコシステムの重要性を打ち出し、それを日本ユニシスが目指す姿とした。

 だが、こうも語る。

中期ビジョン

ビジョンとコーポレートステートメントを見る限り、いままでと違うことをやろうという姿勢がうかがえる

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