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山谷剛史の「アジアIT小話」 第126回

世界べスト10に入るインドMicromaxのスマホを実際にインドで買った!

2016年06月23日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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インドメーカーと言っても実機は中国製で目立った機能も見当たらない……

アプリが面白い「Micromax Canvas Juice 4G」

アプリが面白い「Micromax Canvas JUICE 4G」

 さて、筆者の購入したMicromaxの製品は、同社初の4Gをサポートする低価格モデル「Micromax Canvas JUICE 4G」で値段は7800ルピー。1ルピー=1.6円なので、日本円で1万2500円となる。

 同社サイト上では無数の製品が紹介されているのだが、量販店の店頭で見かけたのはこの製品を含め、同価格帯の製品が中心。そこで、日本でも利用できるインドスマホ入門機として購入した。

 AmazonインドやSnapdealやflipcartといったオンラインショップではもう少し性能のいい機種も売られているのだが、リアルショップではこの程度の価格帯が関の山か。

 ネットにおいては、価格的にも性能的にもインド人に言わせても「特筆したものはなく、同社の社史に残るような製品はほかにある」そうで、「あまりお勧めできる機種ではない」らしい。

パッケージと付属品。クリーニングクロスまで完備

パッケージと付属品。クリーニングクロスまで完備

背面カバーは外れるが、バッテリーの脱着は不可能

背面カバーは外れるが、バッテリーの脱着は不可能

 Micromax Canvas JUICE 4GはAndroid 5.1を採用。低価格ながら質感は悪くなく、「m!」というグーパンチのようなmicromaxのロゴが描かれたアルミ製のカバーを開けてみると、Made in Chinaの文字がある。中国製だ。

 タッチディスプレーは720×1280ドット表示が可能なIPS液晶にゴリラガラスを装着。通信ではTDD-LTE/FDD-LTEデュアルモード対応のデュアルSIMスロットを搭載する。

 例によってメーカーや店頭のスペックシートからではCPUのブランドはわからず、調べてみるとMediatek製のクアッドコアCPU「MTK6582」(1GHz)を搭載し、5インチディスプレー、2GBメモリー、8GBストレージを搭載。

 カメラはリアにフラッシュ付き800万画素、フロントに500万画素センサーを内蔵し、バッテリー容量は4000mAhとなっている。バッテリーは固定され、着脱できない。

 4G対応だが、MTK6582はかつて中国の安価なスマートフォンに採用されていたものであり、左右にスワイプすると少々もたつく。7800ルピー(1万2500円)という価格も、中国のスマホに比べると安いわけではない。

スマホパッケージに付属のコンテンツがインド人にとってのMicromaxの魅力だろうか

スマホパッケージに付属のコンテンツがインド人にとってのMicromaxの魅力だろうか

 ハードウェアはとりたてて面白くはないし、価格的な魅力も中国のそれには劣りそうだが、実はインストールされているアプリは、Made in Indiaのものが結構入っていて、インドのスマホ向けサービスの発展ぶりが垣間見れて面白い。

 それについては次回に持ち越しとさせていただきたいが、今回のインドの黒船Micromaxが中国で受け入れられるのかという疑問については、同社製品がMade in Chinaで価格的魅力もなく、インド向けサービスプリインストールこそが製品の魅力ともなると、すでに目の肥えた中国のスマホユーザーには受け入れられないのではないかと思う。


山谷剛史(やまやたけし)

著者近影

著者近影

フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。書籍では「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)、「日本人が知らない中国インターネット市場」「日本人が知らない中国ネットトレンド2014」(インプレスR&D)を執筆。最新著作は「中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立 」(星海社新書)。

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