de:code前夜祭「Japan ComCamp meets de:code」もレポート
Microsoft MVPが個人とコミュニティのパワーをフルに引き出す
2016年05月27日 12時25分更新
de:code前夜祭で見えたマイクロソフトコミュニティの活気
こうしたマイクロソフトのコミュニティ支援の一端をかいま見たのが、先日のde:code 2016の前夜祭として行なわれた「Japan ComCamp meets de:code」だ。有償イベントのde:codeに対して、Japan ComCamp meets de:codeの参加は無償。コミュニティに所属しているエンジニア、開発に興味があるユーザーであれば、誰でも参加できる。会場はMVPを始め、300人近いIT関係者で埋め尽くされた。
イベントは会場内の4箇所のブースで参加者が自分の話したいことを15分ずつ話すアンカンファレンス形式で行なわれた。こうしたユニークなイベント形態も、コミュニティ側からの発案。前夜祭ということもあり、飲食も用意されており、参加者は飲み食いしながら好きなセッションに参加できるという趣向だ。また、会場の前方では「コーディングチャレンジ」が開催され、参加者がハンズオンにチャレンジした。
19時からの開始に先立ち、アンカンファレンスを募集するホワイトボードが少しずつ埋まり始める。4割がたという段階で、19時になり、各ブースでアンカンファレンスがスタート。「Visual StudioとGitの話」や「.NET Core on RHEL」、「Bash on Windows」などのほか、UWP、Xamarin、Unityなどさまざまなネタが各所で披露される。やはりIoTやモバイル関連のほか、OSSをAzure環境で使ってみたというネタが多かったのが印象的だ。19時半には予定されたアンカンファレンスの枠は埋まり、15分ごとに各所から拍手がわき起こる。
20時半にはアンカンファレンスが終了し、砂金さんたちマイクロソフトのメンバーが登壇し、明日のオススメセッションについて説明。単なる飲み食いやネットワーキングイベントのみならず、幅広いユーザーが自身の知見を披露するという点で、開発者に有益だったのではないだろうか?
OSSフォーカスや技術の多様化で変化を迎えるMVP
MVPも大きな変化の時期を迎えている。OSSとの連携が大きなテーマとなり、AIやデータ分析、IoTなど技術の範囲が拡がってきたこともあり、幅広い技術への知見や活動内容が求められるようになっている。
これについて松野さんは「現在はOSSとマイクロソフトの技術との連携や親和性をうまく話せる方を広く募集しています。OSSのコミュニティでマイクロソフトの技術の話をしてもらうとか、そこを話せる人を増やしてMVP候補者の育成に繋げる活動をMVP受賞者には期待しています」と語る。社内のエバンジェリストと社外のMVPで区別を設けることなく、技術を啓蒙する部隊として一心同体で動いているのが今のマイクロソフトの姿と言える。
なぜマイクロソフトはここまでコミュニティを支援するのか? 日本マイクロソフトの熊本愛華さんは、「大きな話で言うと、日本の技術力を向上させたいという野望があります。そのためには、やはり技術を広めなければならない。いろんな人に使ってもらわなければならないし、いろいろな技術をうまく連携させていく必要があります。その場としてコミュニティがあると思っています」と語る。日本におけるエンジニアの地位向上、世界で戦える自立した技術者の創出を目指するのが、MVPの背景にあるコンセプトだ。
de:codeのようなイベントは、マイクロソフトが自社の技術や製品をアピールする場になっているが、コミュニティはユーザー自身が技術をレビューし、アダプトさせていく場だという。そして、OSSコミュニティとの連携により、マイクロソフト製品へのフィードバックが加速され、より開発者にフレンドリーな存在となっていく。「技術を介して人をつなげる。これによって日本の技術を活性化できるのではないかと考えています」(熊本さん)。
(提供:日本マイクロソフト)