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カスタム水冷導入完全ガイド 第1回

カスタム水冷で自作PCを鬼冷却&ドレスアップ!【準備編】

2016年05月21日 12時00分更新

文● 藤田 忠 編集●北村/ASCII.jp

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リザーバー

 水路上に設置して冷却液を一時的に貯めておくパーツ。円筒型が多く、円筒下部にポンプを取り付けられるタイプや5インチベイに内蔵するタイプなどがある。複数のフィッティング接続口が備わっており、冷却液の補充や冷却液が熱膨張した際に高まる圧力を抜く、バルブフィッティングを取り付けるなどに使用できる。

円筒型リザーバー。サイズは全高100mm程度からある

フィッティング(繋ぎ手)

 水冷ヘッドやラジエーターなど、各部をチューブでつなぐ際に必要なパーツ。チューブを各部に固定するために使用し、フィッティングまたは繋ぎ手と呼ばれている。

 チューブの接続方法の違いで、フェルールレス(コンプレッション)、バーブ(ホースニップル、タケノコ)、プラグインの3種類があるが、主流は扱いが簡単なフェルールレスタイプになる。

 フィッティングはストレートのほかに、分岐、延長タイプや45度、90度の角度がついているタイプ、冷却液を抜かなくても水路の切り離しが可能なクイックリリースなど種類が豊富。より奇麗な配管にしたり、メンテナンス性を向上させられる。

 使用するチューブの外径(OD)と内径(ID)で使用するフィッティングは異なり、最近人気となっているアクリルチューブ配管の場合は、アクリルチューブ用が必要な点は忘れてはならないポイント。

 また、水冷ヘッドなどとの接続部は、ほぼG1/4ネジで統一されている。異なるメーカーのフィッティングを組み合わせることが可能だが、一部のメーカーは相性問題が起ることもまれにある。

主流のフェルールレスは、2つの部品で構成。チューブを差し込んだあとに、カバーナットを締め込めばオッケー

バーブタイプは、チューブはカバーナットではなく、ホースバンド(写真右上)で固定する

基本となるストレートタイプのフェルールレスフィッティング(繋ぎ手)。冷却液のインとアウト側に使うため、最低構成でも6~8個必要になる。1個あたり700円程度するので、意外とコストがかかる部分になる

チューブ

 各パーツ間をつなぎ、冷却液の水路になるパーツ。使用するチューブの種類と外径、内径でフィッティングを選ぶ必要がある。

 サイズはインチ表記で、フェルールレスやバーブ向けチューブには、OD1/2インチ(12.7mm)ID3/8インチ(9.53mm)やOD5/8インチ(15.87mm)ID3/8(9.53mm)など、複数サイズがある。なお、mm表記は10mm、13mm、16mmと表記されることも。

 主なチューブとフィッティングタイプ、合わせる外径、内径の関係は以下の通りになる。

チューブとフィッティングの関係
チューブ種類 フィッティング 合わせるサイズ
PVCチューブ フェルールレス(コンプレッション) 外径と内径
PVCチューブ バーブ(ホースニップル、タケノコ) 内径
※ホースバンドは外径を合わせる
アクリルチューブ
真鍮チューブ
フェルールレス(コンプレッション) 外径

 ちなみに曲げ加工もできるアクリル硬質チューブでの配管時は、専用カッターやノコギリ、切断面を整えるリーマー(紙ヤスリ)、曲げ用治具、ヒートガンなどが必要。専用ツールキットも販売されているので確認しよう。

チューブの外径(OD)と内径(ID)は、フィッティングの選定に必要になる

チューブは自分で必要な長さにカットして使用する。切り口が垂直になるようにカットする必要があるので、チューブカッターを用意したい

Thermaltakeのアクリルチューブ向けの加工工具セット「Pacific Hard Tube Bender Kit」

冷却液(クーラント)

 水冷ヘッドなどの熱をラジエーターに熱移動させる役割を担うのが、冷却液だ。2種類の金属が電解質(通電性のある液体)の中にある時に起こる電触防止剤などが入ったPC水冷用の冷却液や、不純物の入っていない精製水に添加する添加剤タイプがある。

 カスタム水冷は各種パーツ内のゴミ取りと水漏れチェックを行なう通水テストが必須だが、その際も不純物が入っている水道水を使うのは避けたい。精製水は薬局で500mlが120円程度なので、なるべく精製水を使おう。

 なお、冷却液のなかには、人体や環境に影響する成分が含まれていることがある。子供の誤飲に注意し、液体を混ぜたりせず、処分時には自治体へ捨て方を確認するなど、扱いには十分注意しよう。

ケース内のドレスアップに良い絵の具のように濃い色のThermaltake製冷却液の「C1000 Orange Opaque Coolant」シリーズなど、いろいろな冷却液がある

XPCS製の希釈タイプで、UVライトで発光できる

ファン

 説明不要のパーツだが、ラジエーターの冷却性能をしっかり引き出せるファンを選びたい。細かくフィンが並び、風路が狭いラジエーターには、風を送り出す圧力を表す静圧(単位:mmH2O)が高い製品のほうが向いているので、ファンスペックを確認しよう。

人気のあるNoctua製など静圧を表記しているファンが増えている。なお、ファンだけで1万円を超えることも。総予算を考えるときは忘れずに

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