今年最初のインテルCPUロードマップの更新からあまり大きな動きはないが、2つほどトピックがあるので、まとめてお届けしたい。
Broadwell-E最上位の
「Core i7-6950X」は1500ドル前後
Broadwell-Eより先に、Broadwell-EPベースのXeon E5 v4が発表されたのは既報の通り。週刊アスキーのバイトリーダーイッペイがこのために与信額の多いクレジットカードを探している……という話はどうでもいいのだが、同日より販売も開始されている。
あとは、いつBroadwell-EベースのCore i7/Core i7 Extremeを発売するかは技術的な問題ではなく、マーケティングあるいは生産量的な問題になった。
気の早いメーカー、例えばASRockは公式にX99マザーボードでBroadwell-Eのサポートを表明しており、他社もこれに追従している。
さすがにまだ流通量が少ないためか、Xeon E5 v4を公式サポートしたX99マザーボード用BIOSはないが、すでにBeta版が出ているものは存在するので、基本的には時間の問題と思われる。
スペックなどは特に前のレポートからは変化がない。ハイエンドのCore i7-6950Xは10コアになり、動作周波数は3GHz、TDPは140Wとなっている。価格は1500ドル近くになりそうだ。
スペック的にはXeon E5-2687W v4を10コアに減らし、その分2次キャッシュが25MBに、TDPが140Wにそれぞれ減らされたという感じになる。
E5-2687W v4が2141ドルなことを考えるとバーゲンプライスという見方もできるが、2P構成は無効化されていることを考えると1500ドルあたりが妥当な線だろう。
6800K/6850K/6900Kのコア数や動作周波数も前回紹介したものから変わらない。いずれの製品もTDPは140Wということになっている。個人的には6コアで3.6/3.8GHz駆動のCore i7-6850Kあたりが一番使いやすい気がするが、このあたりは「なにをするか」次第だろう。
価格は6900Kがおそらく999ドルということになり、6850Kが600ドル弱、6800Kが400ドル弱あたりに落ち着くのではないかと思われる。これが1つ目の話だ。

この連載の記事
-
第813回
PC
Granite Rapid-DことXeon 6 SoCを12製品発表、HCCとXCCの2種類が存在する インテル CPUロードマップ -
第812回
PC
2倍の帯域をほぼ同等の電力で実現するTSMCのHPC向け次世代SoIC IEDM 2024レポート -
第811回
PC
Panther Lakeを2025年後半、Nova Lakeを2026年に投入 インテル CPUロードマップ -
第810回
PC
2nmプロセスのN2がTSMCで今年量産開始 IEDM 2024レポート -
第809回
PC
銅配線をルテニウム配線に変えると抵抗を25%削減できる IEDM 2024レポート -
第808回
PC
酸化ハフニウム(HfO2)でフィンをカバーすると性能が改善、TMD半導体の実現に近づく IEDM 2024レポート -
第807回
PC
Core Ultra 200H/U/Sをあえて組み込み向けに投入するのはあの強敵に対抗するため インテル CPUロードマップ -
第806回
PC
トランジスタ最先端! RibbonFETに最適なゲート長とフィン厚が判明 IEDM 2024レポート -
第805回
PC
1万5000以上のチップレットを数分で構築する新技法SLTは従来比で100倍以上早い! IEDM 2024レポート -
第804回
PC
AI向けシステムの課題は電力とメモリーの膨大な消費量 IEDM 2024レポート -
第803回
PC
トランジスタの当面の目標は電圧を0.3V未満に抑えつつ動作効率を5倍以上に引き上げること IEDM 2024レポート - この連載の一覧へ