簡単操作の編集ツール、配信、ログ解析機能を低価格でパッケージした企業向けサービス
360°動画/画像のビジネス活用を促すSaaS「Smart360」発売
2016年04月14日 07時00分更新
エージェンテックは4月13日、360°パノラマ静止画/動画コンテンツを簡単に編集/配信/管理できる統合クラウドサービス「Smart360(スマートさんろくまる)」の提供を開始した。リンクの埋め込みなどユーザー自身で簡単に制作ができ、クラウドで公開したコンテンツのフィードバック/ログ解析機能も備えた安価な統合サービス。
360°パノラマ動画/写真を素材として各種情報を簡単に追加できる
エージェンテックは2004年設立のソフトウェア開発会社。これまで受託開発のほか、動画共有ソリューション「SINABURO DOGS」や、電子コンテンツ制作/編集/配信プラットフォーム「ABook」など企業向けの独自プロダクトを開発、提供してきた(OEM提供も含む)。ABookは幅広い業種の企業で、タブレットから閲覧できる電子カタログや電子マニュアル、営業資料や会議資料の作成/配布を目的に採用されており、導入実績は国内450社、約20万端末に上る。
同社 代表取締役の金氏は、これまでABookの開発で培ってきた「企業内の誰でも簡単にコンテンツをオーサリングできるノウハウ」を生かし、エージェンテックとしての“第3成長期”を目指してSmart360を開発したと語った。「これまでは主に企業内での情報共有ツールだったが、今後はより表現力の高いコンシューマー向けのツールも必要だと考えた」(金氏)。
Smart360では、リコーの360°カメラ「Theta」やサムスン「Gear 360」などで撮影されたパノラマ動画/静止画素材を取り込み、素材の中にURLリンクや別のドキュメント、ムービーなどを配置し、360°コンテンツとして任意のWebページに埋め込むことができる。このオーサリング作業は専用ツール不要で、ユーザーがHTML5ブラウザ上で簡単に操作できる。コンテンツの閲覧も、HTML5ブラウザであればPCやタブレット、スマートフォンなどデバイスを選ばず可能。
Smart360の利用価格(税抜)は、初期費用3万円、月額2万円から(1年以上利用契約時のキャンペーン価格、先着100社まで)。コンテンツ数や動画本数、月間ページビュー数などにより変動する。そのほか同サービスのOEM提供やカスタマイズ提供、同社パートナーによる360°素材撮影にも対応する。
施設案内や観光案内、マニュアル、ECサイトまで幅広い活用シーンを提案
金氏は、これまで企業がこうした360°コンテンツを制作する場合には、制作会社に「丸投げ」で発注するしかなく、高い制作費がかかるうえ、ひんぱんに更新できないという課題があったと説明する。それを解決し、企業ユーザーが手軽に360°コンテンツが活用できるようにSmart360を開発したという。「コンテンツの新鮮さが保てると、顧客からも好評だ」(金氏)。
活用シーンとしては、たとえば施設案内や観光案内、機械操作や店舗陳列などの各種マニュアル、ECサイト、バーチャルイベント、不動産やホテルの空間プロモーションなどが提案されている。同社サイトでは、実際にSmart360を採用した顧客のサンプルコンテンツも公開されている。
エージェンテック 副社長の秋山氏は、テキスト、写真、動画と、テクノロジーの進化によってデジタルコンテンツがどんどん身近な存在になり、簡単に扱えるようになってきたことを指摘。360°カメラが次々に発売されており、次は企業向けの360°パノラマの新市場が立ち上がることが予測されるため、Smart360をリリースしたと説明した。
なおSmart360では、ユーザーのサイト内動線を解析できるログ解析機能や、アンケートなどのフィードバックを受け付けられる機能も提供される。
「Smart360を低価格で提供する理由は、360°コンテンツの市場を立ち上げたいから。また、高度なツールも否定はしないが、Smart360のような誰でも使えるものが出てこなければ市場は立ち上がらない」(金氏)