まだまだ終わりじゃない! レコード盤の扱いも慎重に
今度は、アナログレコード盤の方の準備だ。アナログレコードの盤面をべったりと指で触るのは論外。レコード盤のフチを指にひっかける感じで中央にあるレーベル面に触れてレコード盤を持ち上げるようにする。
レコードジャケットから取り出したら、盤面には指を触れずにフチだけを支えて、レコードプレーヤーのターンテーブルにセットする。
このとき、盤面のホコリもなるべくきれいに取り払うこと。レコードの盤面の清掃は専用のレコードクリーナーもあるので、用意しておくといい。
どうしてこんなことまで注意するのか。それは自分が自転車に乗っているときのことを考えるとわかりやすい。
自分が進む方向に石ころなどが落ちていたらどうだろうか? 車輪が弾かれてまっすぐ進めないし、石を踏んだショックで車体が跳ねるし、最悪転倒する。
レコード盤のホコリはレコード針にとってはこうした障害物そのものなのだ。レコード再生は針飛びが生じるし、時折ブチッと音がするが、これはこうしたホコリなどでレコード針が不要なショックを受けている証なのだ。
盤面に手を触れない(皮脂をつけない)のも同じ。レコード針にとっては進路状にオイルや泥、水たまりがあるようなもので、油なら滑るし水や泥がればスピードが落ちる。結果、レコード針が正しい速度で進めず、正常な再生ができなくなる(音楽のピッチがおかしくなる)わけだ。
皮脂は一度着いたら簡単に落とせないので、レコード盤を薄めた中性洗剤で洗ってしまう人もいる。どこまで神経質になるかはその人次第ではあるが、基本的には目に見えるキズや汚れはすべて音(ノイズ)になると思って慎重に取り扱うようにしたい。
ようやくレコード再生の開始! さあ、どんな音がするか?
これでようやくすべての準備が整った。レコードプレーヤーの電源をオンにして、回転数をレコード盤にあるとおりに調整する(多くは33 1/3回転)。
するとターンテーブルに乗せたレコード盤が回転しはじめるので、その外周にトーンアームを動かして、昇降レバーを降ろせばカートリッジが下降してレコード盤に着地する。
トーンアームは急激に降ろさずにゆっくりと着地させよう。きちんとレコード盤に針が乗ったのを目視で確認してから、アンプのボリュームを大きくしよう。ボリュームを先に上げておくと、着地したときのブツっという割と大きなノイズがスピーカーから出てしまう。大音量派の人はスピーカーを破損する可能性もあるので要注意。
さて、どんな音がするだろうか。レコード盤のコンディションにもよるし、CDのようにノイズレスというわけにはいかないと思うが、ここまで丁寧に時間をかけたら期待した通りの音が出ているに違いない。
こうした手間ヒマが絶妙なスパイスとなって、聴こえてくる音がいい音だと感じる人もいるだろう。目の前で大きな黒い円盤が回転する様子もいかにも音楽を聴いている雰囲気がたっぷりだ。
さて次回は、現在発売されているレコードプレーヤーを身近なモデルから高級モデルまで選りすぐって紹介。音質レビューも含めて詳しく紹介していく。

この連載の記事
-
第3回
AV
いい音のままの残す‼! アナログレコードをPCMレコーダーでハイレゾ録音! -
第2回
AV
1万円台から10万円超まで、レコードプレーヤーはコレが買い! -
AV
デジタル時代のアナログオーディオ入門 - この連載の一覧へ